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夫の同級生と名乗る男からの贈り物をきっかけに、夫婦に恐怖が襲いかかる『ザ・ギフト』レビュー

2001年~02年のテレビシリーズ『シークレット・ライフ・オブ・アス』で注目され、映画だけではなく舞台でも高い評価を得ている個性派俳優、ジョエル・エドガートン。ナタリー・ポートマンと共演した『ジェーン』が公開中の彼が製作、脚本、監督を兼任し、キーとなる役で出演しているのが『ザ・ギフト』だ。

デヴィッド・ミショッド監督の長編第2作『奪還者』では原案に参加し、マシュー・サヴィエル監督の『ディスクローザー』では脚本も担当するなど、土壌を整えた上での初監督作。主人公を演じるのはコメディー演技に定評があるが、今までとは違う役柄に挑戦したジェイソン・ベイトマン、彼の妻役は『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』のレベッカ・ホール。

物語はカリフォルニア州郊外の丘陵地帯に建つ美しい邸宅に、ベイトマン演じるサイモンとホール演じる妻のロビンがシカゴから引っ越してきたところから始まる。ある日、街に買い物に出たふたりがエドガートン演じる、サイモンの高校時代の同級生と名乗るゴードという男に声を掛けられる。サイモンの記憶からゴードのことはすっぽり抜け落ちていたが、電話番号を聞いてその場を立ち去る。翌日、ゴードから贈りもののワインボトルが届けられる。それをきっかけにゴードとサイモン夫妻の交流が始まるが、次々に贈りものが届くようになったことから、サイモンはゴードに対して不審を抱くようになる……。

映画の冒頭、ゴードは親しげに夫妻に近づいていくが、次第に怪しい人物に見えてくる。そして、映画の中盤にある事実が判明してからは本当に怪しい人物なのかという疑問が浮かび上がってくる。ゴードの存在に次第に恐怖を覚えるサイモンが心理的に追い詰められていく様を、エドガートン監督はオーソドックスな手法で見せていく。アルフレッド・ヒッチコック監督が得意とする心理スリラーが現代によみがったようで、見る者の心にジワジワとくるような、心の中を探られているような感覚さえするのだ。

エドガートンとベイトマン、ホールとの息詰まる演技合戦も見ごたえ十分で、巧みな語り口で物語を展開させていくエドガートンの演出は初監督とは思えないほど堂々としている。 俳優だけではなく脚本家、監督としても才能を発揮するエドガートン。俳優としての彼も見てみたいが、さらなる脚本、監督作にも期待を抱かせるような快作だ。

Writer

小原 雅志
masashiobara小原 雅志

小学館のテレビ雑誌『テレパル』の映画担当を経て映画・海外ドラマライターに。小さなころから映画好き。素晴らしい映画との出会いを求めて、マスコミ試写に足しげく通い、海外ドラマ(アメリカ、韓国ほか)も主にCSやBS放送で数多くチェックしています。

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