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ノーラン新作『オデュッセイア』は夏のエンタメ超大作、「見たこともない映画」に ─ 「キャリア最高の経験」とマット・デイモン

https://www.instagram.com/empiremagazine/p/DRAYKVwjCzr/

クリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』は、2026年の夏を代表するエンターテインメント超大作となりそうだ。主演のマット・デイモンが作品への手ごたえを語った。

本作は詩人ホメロスによる英雄叙事詩『オデュッセイア』に基づく“神話的アクション大作”。デイモン演じるイタカの王・オデュッセウスは、トロイア戦争のあと、故郷で帰りを待つ妻・ペネロペイアと再会するため、10年にわたる過酷な旅に出る……。

Empireにて、デイモンは本作を「これぞ夏に観たい映画。最も、圧倒的におもしろい映画になるでしょう。神話のような感覚を味わえるはず」と語った。91日間の撮影は、「誇張抜きで、キャリア史上最高の経験だった」という。

監督・脚本を務めたノーランは、妻でプロデューサーのエマ・トーマスが本作を「最も的確に言い当てていた」と語る。「これは“基礎”なのです。あらゆる要素が詰まっており、あらゆる物語を包含している」。

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『ダークナイト』3部作でコミック映画の新たな基準を確立し、『インターステラー』(2014)や『オッペンハイマー』(2024)では壮大な物語世界と主人公の心象風景を描き出すなど、常に観たことのない世界をスクリーンに映し出してきたノーラン。「ひとりのフィルムメイカーとして、映像文化における空白や、いまだ開拓されていないものを探し求めている」という。

「私が気づいたのは、自分が幼いころから観てきたような素晴らしい神話的な映像作品──たとえばレイ・ハリーハウゼン作品など──が、第一級の予算と、ハリウッドのIMAXによる大規模製作ならではの重みと信頼性をもって実現された例を、いまだ見たことがないということです。」

ノーランは本作において、IMAX社が新たに開発した技術を駆使し、イタリアやギリシャ、スコットランドなど世界各国で撮影を敢行。デイモンのほか、トム・ホランドやアン・ハサウェイ、ゼンデイヤ、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロン、ロバート・パティンソンら豪華キャストを起用した。

もちろん、ノーランのこだわりは大スケールの実写撮影にあった。使用されたIMAXフィルムは200万フィートにおよび、本編の大部分を実際の海上で撮影。ノーランは「4ヶ月間ずっと海の上にいた」という。

「オデュッセウス率いる船の乗組員を演じる俳優たちを、本物の波、本物の場所に立たせました。海は広大で、恐ろしく、素晴らしく、時には慈愛に満ちている。あの旅がいかに過酷だったのか、そして未知の世界へ踏み出す挑戦がどんなものかを描きたかったのです。」

デイモンによると、脚本にはオデュッセウスの試練と個人的な葛藤も明確に描かれているようだ。「セイレーンに誘惑され、マストに縛りつけられるときの実存的危機。また、サイクロプスから逃げるときの命の危機。クリスは手を抜きません」と語る。

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文字通り未知の旅に挑んだオデュッセウスと同じように、ノーラン率いるチームも未知の製作に臨んだ。ノーランは「現実世界の物理を映画製作に取り入れると、ストーリーテリングにも興味深い影響が生まれる。それは毎日、自分たちが対峙している世界に直面するからです」という。

デイモンはひとつの撮影エピソードを語っている。かの有名なトロイの木馬が海岸に立つ姿を見たときは「すごい」と驚愕したというが、いざ撮影する前週に「どうやって撮るのか?」と尋ねたところ、ノーランからは「わからない。その場で考えよう」という答えが返ってきたというのだ。

映画『オデュッセイア』は2026年公開、配給はビターズ・エンド(US公開日は7月17日)。

Source: Empire (1, 2)

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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