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『ソー:ラブ&サンダー』大量の未公開シーンあり ─ ジェーン&ヴァルキリーの友情も泣く泣くカット

ソー:ラブ&サンダー
©Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『ソー:ラブ&サンダー』に膨大な削除シーンが存在することがわかった。ジェーン・フォスター役で再登場したナタリー・ポートマンが明かした。

IndieWireにて、ナタリーは「最終的にまったく入らなかったシーンや惑星、キャラクター、世界がありました」と証言。決してクオリティに問題があったわけではなく、どれも「面白かったし、素晴らしかった」とのこと。「私たちが時間とエネルギーを費やし、チーム全体で考え、設計したものだったんですが」というコメントからは、無念の思いがうかがえる。

すでに判明しているだけでも、ナタリーが「惑星ひとつぶん」カットされていることを以前認めていたほか、グランドマスター役のジェフ・ゴールドブラム、エイトリ役のピーター・ディンクレイジ、そして新規参加となるはずだったレナ・ヘディが出番を全カットされている。監督のタイカ・ワイティティによると、初期編集版は約4時間あったとのこと。ソー役のクリス・ヘムズワースは「クソヤバでワイルドな4時間版」と証言していた。

ナタリーいわく、本作にこれだけの削除シーンが生まれたのは、ワイティティが即興演技や俳優のアイデアを重んじ、時にはプロットの変更さえ厭わないためだという。「タイカはテイクごとに独特かつ新鮮なものを求めている」とはナタリーの証言だが、その創作環境は理想的なものとして映ったようだ。

「(撮影した中には)良いものも悪いものもあり、完成した映画に残っているカットも、削除されたカットもあります。けれどもそういうふうに演じられる自由があることや、その自由がコメディのシーンでもシリアスなシーンでも等しいことは本当に素晴らしいことでした。」

実際にクリスとナタリーは、ソーとジェーンの重要なシーンを何度も撮り直しており、あるシーンは「20ものバージョンがあった」そう。また、ジェーンとヴァルキリー(テッサ・トンプソン)にもカットされた場面があったようで、そこでは二人が仲良くなっていく過程が描かれていたというのだ。その量は単独のスピンオフが作れそうなほどで、ナタリーは「もし観られたら本当にうれしい」と語っている。

どんなシーンもテイクごとに毎回違ったやり方で、何度も撮り直していくのがワイティティのスタイル。まるごと削除されたシーンがいずれお披露目となることにも期待したいが、ナタリーは「これだけ最高の素材がカットされて、他にどれだけ素晴らしい映像があったんだろうと思えるのは素晴らしいこと」とも話した。「普通は映画に使えるように良いものを撮ろうとしますが、この映画の場合はあふれてしまうほどだったんですから」。

映画『ソー:ラブ&サンダー』は2022年7月8日(金)に劇場公開。

Source: IndieWire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。