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雷神ソー、マーベル映画初登場の困難とは ─ 『マイティ・ソー』監督、その後の変化のために仕掛けたこと

マイティ・ソー
© 2011 MARVEL

『マイティ・ソーシリーズの主人公ソーは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)において稀有な存在となった。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を経て、シリーズ第4作『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)』で新たな物語へと進むのだ。第1作『マイティ・ソー』(2011)を手がけた重鎮ケネス・ブラナーは、キャラクターの変化をどのように捉えているのか。

名優として活躍するかたわら、近年は『シンデレラ』(2015)『オリエント急行殺人事件』(2017)などを監督してきたブラナーは、長年にわたるキャリアでウィリアム・シェイクスピア劇を熟知し、『マイティ・ソー』にもシェイクスピア作品の要素を取り入れた。米ComicBook.comでは、『マイティ・ソー』について「物語に情緒的な重みを与え、コミックのように、ソーをどこにでも行ける、どのようにも発展させられるようにした」と語っている。

「50年以上にわたるコミックの世界では、ストーリーやキャラクターの展開が多様で、それが素晴らしい。映画でもそういうことが行われていますよね。(初めての映画化で)とても大切にしたのは、彼が追放されること、ダイヤの原石であること、父親や弟と難しい関係性を結んでいること。そういう要素には、登場人物の感情が本物だと感じてもらえる、観客に共感してもらえる大きな可能性があるものです。」

今でこそ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズが人気を博し、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)や『エンドゲーム』でもサノス軍の地球襲撃というストーリーを違和感なく観られるが、それも“MCUの元祖宇宙モノ”である『マイティ・ソー』の成功あってこそ。ブラナーは「キャラクターをどの世界に行かせるかは自由」と語りつつ、「キャラクターをどこにでも行かせられる」だけの説得力を求めていたことを明かした。

ケネス・ブラナー
ケネス・ブラナー Photo by Giorgia Meschini https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kenneth_Branagh_at_the_Roma_Fiction_Fest_2009_by_Giorgia_Meschini.jpg

『マイティ・ソー』ののち、クリス・ヘムズワース演じるソーはキャラクターの性質を大きく変えてきた。特に『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)や『エンドゲーム』での変化は顕著だったが、ブラナーはそれも含めて喜んでいるようだ。「最初に王朝のサーガ、生まれついた家族のドラマを描けて良かった」と自身の作品を振り返りながら、「それから違う方向性、すごく笑える作品もありましたが、まるで別世界のように思えるのも良いと思います」と話している。

かつてブラナーは、『アイアンマン』シリーズと『インクレディブル・ハルク』(2008)に連なった『マイティ・ソー』について、「(MCUが)沈むか泳ぎきれるかという分かれ目の作品」だったと語っていた。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長にも、映画のトーンをユニバースになじませることが難しい作品だと告げられ、興行成績としても『ハルク』を超える必要があったのだ。しかもその後には、キャプテン・アメリカの初登場、そして『アベンジャーズ』(2012)を控えていた。

「当時まだ新しかった、そして成長のさなかにあったマーベル・(シネマティック・)ユニバースにとっては大きなチャレンジでした。4本の映画を繋げる中で、このキャラクターを活かす道をどう見つけるのか。とんでもなかったですね。ロバート(・ダウニー・Jr.)とジョン(・ファヴロー)のアイアンマンは見事だったし、ハルクは期待されていたほどうまくはいかなかったけれど、キャプテン・アメリカもいた。そこにブロンドヘアの男と虹の橋を入れるわけですからね、難しいですよ。」

その後、ブラナーは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の冒頭シーンにて、ソーの乗る宇宙船から発される救難信号の声を演じている。同作を手がけたアンソニー&ジョー・ルッソ監督やマーベルから、『マイティ・ソー』シリーズの礎を築いたブラナーに対する敬意の表れだろう。ちなみにブラナーは、再びヒーロー映画を手がける可能性について「(実現すれば)楽しそうですね」と話している。「そういう話はまだないので、もしかすると…でしょうか」。

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Source: ComicBook.com

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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