『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ルークのストーリーを監督が徹底解説 ― 冒頭シーンから次回作ヒントまで、別エンディング案も

映画スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が劇場公開されてからしばらくが経過した。『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)から34年ぶりの登場となったルーク・スカイウォーカーをめぐる物語は世界中のファンを驚かせ、賛否両論の渦を巻き起こしたが、ようやくその勢いも落ち着きを見せつつある。

本作の脚本・監督を務めたライアン・ジョンソンは、公開以来、『最後のジェダイ』について時に積極的に語り、時にはファンやインタビュアーの質問を受けて丁寧に回答を重ねてきた。逆にいえば、その態度は、本作がそれほど激しいリアクションを呼ぶ映画であったことの証左ともいえそうである。
なかでもライアン監督は、『スター・ウォーズ』シリーズの主人公であるルークの描き方、その扱いの難しさについて、切り口を変えながら何度も言及している。今回はその“決定版”ともいうべき、本作のクライマックスからラストシーンまでの流れを読み解くカギをご紹介することにしよう。


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注意

この記事には、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のネタバレが含まれています。

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

「ルークは臆病者なんかじゃない」

あのルーク・スカイウォーカーは、なぜ一人で惑星オクトーに閉じこもってしまったのか。「ルークはそんなことしない」と演じるマーク・ハミル自身にも言わしめたこの行動は、もちろんライアン監督にとっても大きな決断を伴うものだったのである。
「僕の親しんだルークは臆病者なんかじゃない。彼がただ隠れてるわけじゃないことはわかっていました。そこにいる理由を、アクティブかつポジティブなものとして考え出さねばならなかったんです」とライアン監督は英Empire誌にて振り返っている。そもそも『フォースの覚醒』の時点で、ルークが隠遁生活を送っている理由は決まっていなかったのだ。

「僕にとって一番納得できたのは、ルークやジェダイを英雄視することが、この宇宙にとって有害なのだと、彼自身が考えるというものでした。この宇宙はジェダイという邪神を信じている、だから人々は信仰を忘れて本物の神を取り戻さなければならない、希望はそれに値するものから生まれてくるんだと。
だから最後のジェダイであり、ジェダイの象徴であるルークが、自分自身を犠牲にして姿を消していなければならなかったんです。たとえ友人の死を知った時でも、本当は戦いに戻りたいと自覚している時であっても。」

しかし、この判断は物語の終盤で覆ることになる。かつてライアン監督は、そこでルーク自身が「ルーク・スカイウォーカーの伝説を引き受ける」のだと説明していたが、それはすなわちどういうことなのか? ここでは、その具体例を挙げながら解説されている。

「映画の最後で、ルークは、現在必要とされている過去を受け入れます。それがルーク・スカイウォーカーという伝説なんですよ。人々には信じられるものが必要だし、彼のアクション・フィギュアを手にすべきなんです。星を見上げて、誰もが英雄になれると信じることこそが必要なんですよ。
僕はルークの死を平和なものにしたかったし、彼の思うがままの、勝利にしたかった。この宇宙に希望の火花を取り戻すという、この偉大なる行動をやり遂げてほしかったんですよ。あまり説明したくなかったんですが…全部言っちゃいましたね……。」

 

ラストシーン別案、そしてルークの見た風景

『最後のジェダイ』のラストシーンには、こうしたライアン監督の思いがそのまま映像として表れている。かつて「これ以上のものは考えられなかった」とすら言い切っていた監督だが、実は、その製作過程では別エンディングも試行錯誤されていたようだ。

「(ラストシーンは)僕が本当にこだわっていたものなんですが、編集室では苦労しましたね。脚本でミレニアム・ファルコンのシーンを書いた時には、“映画を終えるには完璧なイメージだと思う”と記してたんですが、僕にはあのラストシーンが本当に重要だったんです。なぜなら、ルークが20人を救ったことが、宇宙に希望を与えることになったのだとわかるんですから。
ここで用意したものは、次回作(『エピソード9』仮題)で大きな意味を持ちますよ。レイアが“必要なものは揃っています”と口にする時、彼女はファルコン号の全員について話しつつ、この先に見るものについても語っているわけです。今や、宇宙全体が希望ののろしを見つめて、果敢に戦うことへと奮い立っているんですよ。」

こうして宇宙へと希望を託したルークは、カイロ・レンとの戦いの末、惑星オクトーにて実体を失ってしまう。しかし、それが本当の死なのか、それとも『エピソード9』で霊体として登場する可能性を秘めたものなのかは、今のところわからない……。

ちなみにライアン監督は、彼が最後に見た二つの太陽について、このように述べている。

あれが彼の回想だったのか、それとも心の中の風景なのか、あるいは本当に二つの太陽を見ていたのかはわからないですよね。そこは大した問題じゃないと考えています。あの島(オクトー)で二つの太陽が出ているのを、僕たちは一度も見ていません。あの島で、二つの太陽が見えるのはあの時だけなんです。」

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。

Sources: https://www.empireonline.com/movies/features/star-wars-last-jedi-10-revelations-director-rian-johnson/
http://comicbook.com/starwars/2018/01/16/star-wars-the-last-jedi-mark-hamill-rian-johnson-two-suns/
©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

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