『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』あの超重要シーン、『新たなる希望』ハン・ソロのセリフが元ネタだった

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に、シリーズ第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)のセリフを元ネタにした場面が存在することがわかった。脚本・監督を務めたライアン・ジョンソンが、英Empire誌にて語っている。

ホルド提督の「特攻」とハン・ソロの関係
『最後のジェダイ』において、ライアン監督が『新たなる希望』をその着想点としたのは、物語の中盤にあるアミリン・ホルド提督の「特攻」シーンだという。
ファースト・オーダー軍の攻撃によって意識を失ったレイア・オーガナに代わって、レジスタンスの撤退を指揮すべく派遣されたホルドは、レジスタンスを存続させるべく戦艦を棄て、乗組員を小さな輸送船へ移して逃がすという作戦に出る。しかしポーからフィン、そしてDJへと情報が漏れたことによって、その作戦はファースト・オーダー軍の知るところになってしまった。
輸送船が狙われる中、戦艦に残ったホルドは、作戦を完遂するためにハイパードライブを使用し、光速でファースト・オーダーの戦艦へ突撃する……。
ライアン監督によれば、この「特攻」シーンが生まれるきっかけとなったのは、かつてハン・ソロがミレニアム・ファルコンの中で口にした一言だったという。
「ハン・ソロが“ちゃんと計算しなきゃ星の真ん中を突っ切ることになりかねない”みたいなことを言って以来、たくさんのファンがそのことを想像してきたと思うんですよ。」
そう、ここで言及されているのは、『新たなる希望』でルーク・スカイウォーカーとハン・ソロ、オビ=ワン・ケノービらがモス・アイズリーを離れ、帝国軍に追われてハイパースペースへと逃れる場面のセリフだ。
Traveling through hyperspace ain’t like dustin’ crops, boy. Without precise calculations, we’d fly right through a star or bounce too close to a supernova, and that would end your trip real quick.
ハイパースペースを通るのは農薬を撒くのとは違うんだよ。正確に計算しなきゃ、星の中を一直線に突き抜けるか、超新星に近づきすぎて跳ね返されるかで、俺たちの旅は即終了だ。
このセリフを出発点にして、本作でライアン監督が描いたのは、あえて正確に計算した上で、(星の中ではなく)巨大な戦艦を一直線に突き抜けるという衝撃的な戦術とビジュアルだった。
「(実際にやると)どんなふうになるのか、ずっと見てみたかったんです。またある時、ILMのスタッフの一人が、すべてが静寂に包まれるというアイデアを思いついてくれて。どうすれば視覚的に印象的なシーンになるかと苦労しましたが、ひらめいた時点から大好きなシーンでしたね。」
前作『フォースの覚醒』(2015)でハン・ソロはカイロ・レンによって殺害されてしまったが、その痕跡は本作にもきちんと登場している。ルークがミレニアム・ファルコンから持ち出してきたゴールデン・ダイスはレイアに手渡されているが、この「特攻」もまたレイアにまつわるシーンであることは、ライアン監督の狙いなのか、はたまた偶然なのか。いずれにせよ、細かすぎて伝わらない類のリンクであることは疑いないのだが……。
映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。
Sources: https://www.empireonline.com/movies/features/star-wars-last-jedi-10-revelations-director-rian-johnson/
https://screenrant.com/star-wars-last-jedi-hyperspace-scene-han-solo/
©Twentieth Century-Fox Film Corporation Photographer: John Jay 写真:ゼータ イメージ