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『トップガン マーヴェリック』のための『トップガン』見どころ解説 ─ 若きトム・クルーズ、音楽、爽やかな人間ドラマに注目しよう

トップガン
©Paramount Pictures 写真:ゼータ イメージ

新作『トップガン マーヴェリック』に期待したいこと

今観てもなお色褪せない『トップガン』に胸をアツくしたところで、待望の新作『トップガン マーヴェリック』の注目ポイントへ移ろう。海外の批評家たちも大絶賛、どうやら非常に良い出来になっているらしい本作、どんなところに注目すべきだろうか?

トム・クルーズのファッションやアイテムの復活

30年以上前と同じファッションをしても、まだ「カッコいい」と許される人がいるだろうか?実はこの世の中には、たった1人だけそれが許される人物がいる。マーヴェリックことトム・クルーズである。

G-1フライトジャケット白Tシャツジーパン(デニムじゃない、あえてジーパンと書く)、アビエイターサングラス、そしてカワサキのGPZ900R。『トップガン』劇中に登場したこれらのアイテムは当時大ブームとなり、多くの若者がトム・クルーズを真似た。G-1フライトジャケットよりも入手しやすかったMA-1がトレンドとなったのは、『トップガン』の影響ほかならない。

30年以上前に一世を風靡したこのスタイルは、新作『マーヴェリック』でも再現されるようだ。予告編映像では、お馴染みのコーデに身を包んでバイクで疾走するマーヴェリックの姿が見られる。

もしも当時のファンが、昔買ったフライトジャケットをクローゼットに眠らせているのなら、今こそ再び袖を通す時だ。もう捨ててしまったという方も、持ち合わせていないという方も、きっとマーヴェリックのようなファッションアイテムを買い求めたくなること間違いなし。G-1やMA-1、そしてレイバンのサングラスが、2022年に再ブームとなりそう。

名場面とロケーションの再現

『トップガン マーヴェリック』の舞台は1作目同様、米サンディエゴの海軍訓練学校。ということで、1作目に似たロケーションでの名シーンが再現されるかもしれない。

例えば、夕暮れの砂浜で仲間たちとビーチバレーに興じるシーンは、厳しい訓練の息抜きに訓練生たちと親睦を深める、若さ溢れるシーンだった。鍛え上げられたサンタンの肌に、滲む汗。マーヴェリックは、汗を拭くこともなくそのまま眩しい白Tシャツを着て、襟がボアのフライトジャケットを羽織ってバイクで疾走した。この暑いんだか寒いんだか分からない気温感も含めて印象的だった。

訓練ではライバル関係にある者同士がコートを共にし、一つのボールを巡って身体を動かした名シーン。とはいえ、物語の進行上はあくまでも寄り道に過ぎない演出なので、新作では無視されていてもおかしくない。もしも再現されるなら、良い意味で「アメリカン」な、マッチョで爽やかでスポーティーな映像に期待したいところだ。

このビーチバレーが行われた砂浜のほか、『トップガン』では、厳しい訓練が行われる場所とは対照的な場所が登場した。レストランバーだ。映画の冒頭ではマーヴェリックとシャーロットの出会いの場となったし、中盤ではグース妻子を交えてピアノで熱唱する、家族ぐるみの友情の場として描かれた。つまり『トップガン』におけるレストランバーは、ポジティブなエネルギーの源なのだ。新作『マーヴェリック』でも、賑やかな店内でドラマが動き出すかもしれない。

亡き相棒の息子ルースターと、上司としてのマーヴェリック

かつて生徒だった者が、その続編では恩師のような教育者の立場に回る。『スター・ウォーズ』でルーク・スカイウォーカーがオビ=ワンやヨーダのようなマスターになることが期待されていたように、『トップガン  マーヴェリック』でのマーヴェリックは、トップガンの教官として若者を指導することとなる。あの自由奔放だったマーヴェリックが、である。

『マーヴェリック』でアツい人間ドラマの最大の動力となるのが、亡き盟友、グースの息子ルースターだ。前作のピアノ熱唱のシーンでは、ピアノの上に座って父たちの楽しそうな姿を見ていたあの幼子が、父と同じようにパイロットに成長して帰ってくる。

マーヴェリック自身もパイロットだった父を殉死で失っており、ルースターの姿には若き日の自分自身も重ねるはずだ。あの頃、マーヴェリックを支えてくれた恩師の仕事を、今度は自分がこの若者に施してやる番が来たのである。

トップガン マーヴェリック
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

ルースター役を演じるのは、『セッション』(2014)などで知られるマイルズ・テラー。『マーヴェリック』監督のジョセフ・コシンスキーとは2017年の『オンリー・ザ・ブレイブ』でも縁を持っており、本作はその再タッグとなる。口髭を蓄えたテラーは、不思議なほどにグースそっくり。まるで、あの相棒がそのまま蘇ったかのような生き写し姿に、観客はもちろん、マーヴェリックだって驚くことだろう。

職務を通じて、マーヴェリックは若かり日の自分が、いかに大人たちの手を焼いていたか、実感することになるかもしれない。歳を重ねたマーヴェリックはいくらか丸くなったのだろうか?それともまだ型破りな男のままだろうか?ルースターら新世代のエースパイロットたちを、マーヴェリックがどのように指導するのかが見どころだ。

ちなみに、ライバルだったアイスマンは『マーヴェリック』では大将にまで大出世。7階級の昇進である。一方のマーヴェリックは大佐になっており、これは3階級のみの昇進だ。出世の機会に恵まれなかったのか、あるいは本人にその興味があまりなかったのかもしれない。

象徴的な音楽

『トップガン』といえば、おなじみの主題歌「Danger Zone」をはじめ、80年代の王道サウンドを思い出させる挿入歌抜きには語れない。そのサウンドは、『トップガン マーヴェリック』にも受け継がれるのだろうか?

『トップガン  マーヴェリック』の主題歌はレディー・ガガによる「Hold My Hand」に変わっており、すでにミュージックビデオも公開中だ。ガガといえば世界が認める歌姫であることに一切の異論はないし、「Hold My Hand」も聴いてみたところ素晴らしい仕上がりで、プレイリストのお気に入りの1曲になる事は間違いない。

でも、やっぱり「Danger Zone」のあのノスタルジックな疾走感が恋しい。予告編映像では、「Top Gun Anthem」をフィーチャーした音色も聞こえるが、果たして「Danger Zone」も流れるのだろうか。シアターにひとたび響き渡れば、観客の心はたちまち1作目当時に立ち返り、臨場感たっぷりに没入できるはず。新作はどんな音楽と共に物語を彩るのだろうか?目だけでなく、耳でも大いに楽しみたい。

トップガン マーヴェリック
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

『トップガン マーヴェリック』は、2022年5月27日ついに公開。待ち焦がれたマーヴェリックとの再会は、ビッグスクリーンの映画館で果たそう。

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Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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