『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ドラマ企画が存在、米ワーナーと『マトリックス』製作会社の訴訟で判明

トム・クルーズ主演のSFアクション映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のTVシリーズ企画が存在していたことが分かった。現地時間2022年2月7日、映画『マトリックス レザレクションズ』を巡る契約不履行を理由に、配給の米ワーナー・ブラザースに対して訴訟を起こした豪製作会社ヴィレッジ・ロードショーの訴状にて判明している。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、日本の人気SF小説『All You Need Is Kill』(集英社スーパーダッシュ文庫刊)をハリウッドで映画化した作品。2014年に公開された映画版は、ワーナーとヴィレッジ・ロードショーが共同製作を担当した。本作を巡ってはこれまで続編映画の製作状況が話題を集めてきたが、どうやら水面下ではドラマ版の企画も進行していたらしい。
50ページに及ぶ訴状の主な内容は『マトリックス レザレクションズ』に関連する訴えだが、これに付随してワーナーがヴィレッジ・ロードショーに通告したとされる不当な要求の内容が記されている。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ドラマ版に関する記述は、第20項にある。
「最近になり、ワーナー・ブラザースは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に基づいたTVシリーズや、その他ヴィレッジ・ロードショー製作の映画を進行させる決断をしました。」
ここで言及されている『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に基づいたTVシリーズの詳細は定かでないが、訴状の続きを確認すると企画自体の幸先は良くない模様。「しかし、その決断では、ヴィレッジ・ロードショーが、共同出資と共同所有権を自発的に手放すことが主張されていました」と記されているのだ。
「これを当社が拒むと、ワーナー・ブラザースは目をつむられていた部分を声高らかにして、こう主張しました。“ヴィレッジ・ロードショーが、進行している(企画の)派生的権利からいかなる利益を受け取ることを認めないものとする”。我々は、これまでに45億ドル以上の出資をワーナー・ブラザースに行い、91本の映画を製作・配給してまいりました。つまり、もしヴィレッジ・ロードショーが権利を手放そうとしなかった場合、ワーナー・ブラザースは、それらが無価値だとみなすだろうということです。」
今後、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のドラマ企画がどうなるのかは未知数だが、本訴訟の結果次第では、進路を変更することが余儀なくされる可能性は大いにある。続編映画の企画もヴィレッジ・ロードショーが関与しているはずだが、ひとまずは成り行きを見守るほかなさそうだ。
Source: Deadline Village Roadshow Complaint