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【ネタバレ】「ワンダヴィジョン」に登場しなかったキャラクターから探る「MCUの未来」 ─ なぜ不在だったのか、何が隠されているのか

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

この記事には、ドラマ「ワンダヴィジョン」最終話の極めて重大なネタバレが含まれています。まだ本編をご覧になっていない方は、必ずご視聴後にお楽しみください。
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ワンダヴィジョン
© 2021 Marvel

ワンダ・マキシモフとドクター・ストレンジ

そもそも「ワンダヴィジョン」は、MCUの今後を握る重要作であることがあらかじめ約束された作品だった。本作は『ドクター・ストレンジ』(2016)の続編映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』に直結し、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフは同作に再登場する。さらに「ワンダヴィジョン」は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(原題)』にも繋がることが判明しているのだ。

それゆえ、“最強の魔法使い”であるスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフの単独作となった本作には、早くから“至高の魔術師”たるドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の登場を予測する声があった。しかし、ストレンジは最終話にもまったく姿を見せなかったのである。米Deadlineにて、脚本・製作総指揮のジャック・シェイファーは「なぜ登場しなかったのか?」との質問にこう応じた。

「みなさんと同じで、私もドクター・ストレンジは大好きです。だけど、どうなるかはわからないんだし、結局はこういうものだってことですよね。私が言えるのはそれくらい……ですが、『ドクター・ストレンジ』の続編でワンダと共演するのは楽しみにしていますよ。」

“はぐらかされた”とはまさにこのことだが、一方で本作のポストクレジットシーンではドクター・ストレンジの存在が明らかに示唆されている。ウエストビューを離れたワンダは、山々と湖の奥地に建つ小屋で暮らしているようだが、奥の部屋ではアストラル体となったスカーレット・ウィッチが魔術書・ダークホールドを開いているのだ。この時、音楽に耳を傾けると、ドクター・ストレンジのテーマがわずかに聴こえてくる。息子ふたりが助けを求める声も聞こえるが、そもそも二人はまだ存在するのか……。

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『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

「ワンダはどこにいるんですか? 『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でサノスがいた山小屋とは違いますよね」。この問いかけに、シェイファーは「私たち、そして観客のみなさんには、ワンダがどこにいるのかは分かりません」とだけ答えている。秘密主義でおなじみマーベル・スタジオだが、この部分はまさしく本作最大の秘密のひとつと言えそうだ。

『ドクター・ストレンジ』続編のヴィランとして有力視されているのは、コミックでも人気のメフィスト、あるいはナイトメア。前者は強力な魔術と現実改変を駆使するほか、戦闘能力も高く、魂を吸収するという特徴も持つ“マーベル最強クラス”のヴィランだ。後者は夢の世界を支配し、眠れる人々を悪夢の世界に引き込むことができる。特にメフィストは早くからMCU参戦がささやかれており、「ワンダヴィジョン」の黒幕として登場するとの説もあったが、ストレンジと同じく、最後まで顔を見せることはなかった。

「このシリーズに巨大な悪役は必要ないと思っていました。(本作における)最大の悪役は喪失の悲しみです。私たちが語っていたのはそういう物語だし、アガサ・ハークネスとして悪役を登場させてもいますが、最終的には彼女がワンダのセラピーを進めることになるわけです。」

「ワンダヴィジョン」のチームは『ドクター・ストレンジ』続編のチームとの共同作業を実施しており、すでに物語のリレーは着々と準備されている。あくまでも表面化していないだけで、水面下では何かが行われていることだろう。ちなみにマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は『ドクター・ストレンジ』続編について、以前「『ワンダヴィジョン』を観た人が面白がれる映画でなければいけません。しかしそれ以上に、観ていない人にとっても面白い映画でなければいけません」と語っていた

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『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

モニカ・ランボーとスクラル人

ところで「ワンダヴィジョン」には、『ドクター・ストレンジ』以外にもうひとつのリンクが仕掛けられている。それはミッドクレジットシーンで、事情聴取に呼び出されたモニカが、『キャプテン・マーベル』(2019)に登場したスクラル人と顔を合わせる場面だ。スクラル人の女性の正体は不明だが、彼女は「お母さんの友人の代理」だと名乗ると、天を指して「彼が会いたいと」と口にする。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)では、ニック・フューリーが宇宙空間にいることが判明していた。「“彼”とはニック・フューリーのことだと思っている人が多いですが、どうでしょうか?」との質問に、やはりシェイファーは「そこについては何も言えないんです。何も言いません」とコメント。「よく見てくださっていること、みなさんの仮説に深く感謝します」とだけ述べている。ワンダの居場所とともに、こちらもトップシークレットのひとつと見るべきだろう。

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。