Menu
(0)

Search

『ドクター・ストレンジ』続編、「ワンダヴィジョン」を観てなくても大丈夫 ─ 初心者も安心の親切設計、マーベル社長が認める

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」は、『ドクター・ストレンジ』(2016)の続編映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』に直結する作品だ。これは配信開始前から公言されてきたことだが、もし「ワンダヴィジョン」を一切観ることなく『ドクター・ストレンジ』続編を観に行っても良いものだろうか? どうやら、答えは「問題ない」ということになりそうだ。

このたび、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は米テレビ批評家協会のプレスツアーに登場。あくまでも、「ワンダヴィジョン」を知らない観客が理解できる作品を心がけていることを明かした。

「僕は常にすべてを心配しているし、そうすることが僕の仕事です。[中略]我々が作りたい物語は、(これまでの展開を)追ってきている、過去の作品を観ている人には十分きちんと伝わると思います。しかし、もっと重要なのは観ていなくても伝わること。だから、サム・ライミ(監督)やマイケル・ウォルドロン(脚本家)ら『ドクター・ストレンジ』のチームとはしっかり話し合っています。『ワンダヴィジョン』を観た人が面白がれる映画でなければいけない、しかしそれ以上に、観ていない人にとっても面白い映画でなければいけないと。」

以前、ファイギ社長は「ワンダヴィジョン」が『ドクター・ストレンジ』続編の準備作であり、同作でワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)が重要な役割を担うことを認めていた。それでも、あくまで作品ごとの間口は広くしたいとの狙いだろう。ファイギ社長は「最後にワンダを見たのが『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)だという人もいれば、さらにそれ以前だという人もいるだろうし、初めて見る人もいるかもしれません」と述べている。

今回の発言からは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)前後から特に作品同士の繋がりを強めてきたMCUが、今でもなお親切設計の維持に努めていることがうかがえる。もっとも、きちんと物語を追ってきたファンへのお楽しみが用意されているのもMCUのお約束。時にファイギらはそうした仕掛けを“ご褒美”と呼ぶが、きっと『ドクター・ストレンジ』続編にも“ご褒美”が待っていることだろう。『ドクター・ストレンジ』続編は2022年3月に米国公開予定とあって、予習復習の時間は十分残っているだけに、よりディープに楽しむ機会を逃さないでほしい。

ところで、「ワンダヴィジョン」に大人の姿で初登場し、新たな設定を与えられたモニカ・ランボー(テヨナ・パリス)は、今後『キャプテン・マーベル』続編(タイトル未定)にも登場予定。しかし、「すべてを心配するのが仕事」と述べたファイギ社長は、なぜか「テヨナ・パリスのことは心配していません」と言っている。さて、こちらの2作品はどう繋がってくるのだろう?

あわせて読みたい

Source: Cinema Blend

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly