『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』ジェームズ・ガン監督が復帰 ─ 降板後初のコメントに「おかえり」と祝福の声

過去の不適切なツイートを理由に、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズから降板となっていたジェームズ・ガン監督が、続編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(仮題)』に無事復帰することがわかった。米The Hollywood Reporterほか複数の主要メディアが報じた。ジェームズ・ガン監督本人も、騒動以来初めてのツイートで認めている。
騒動の経緯を振り返る
騒動の発端は2018年7月に遡る。ガン監督と政治思想で相反するオルタナ右翼系の政治コメンテーター/記者らが、2008年〜2011年ごろに監督が投稿していた小児性愛ブラックジョークのツイートを採掘。炎上騒動を仕掛けた。
米ウォルト・ディズニーは、騒ぎからおよそ半日で監督の解雇声明を発表。監督および関係者にほとんど有無を言わせぬ形での解雇劇に見えた。ドラックス役のデイヴ・バウティスタを筆頭に出演者からは、「全くもって受け入れられない」との異議が唱えられていた。
騒動後、ウォルト・ディズニー・スタジオのアラン・ホルン会長はジェームズ・ガン監督との面会を行っている。2018年8月には、面会を経てガン監督の復職を改めて「認めない」意向を強めた、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長もこの決定を支持している、との報道も飛び出していた。
降板を受け、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』製作は一時保留状態となっていた。ネット上では、有志ファンによるオンライン署名や復帰を求める活動が話題になっていた。
この度の復帰報道で伝えられたところによれば、アラン・ホルン会長はガン監督と複数回にわたって極秘裏の面会を行っており、ガン監督の謝罪による説得、およびその後の状況を鑑みた上で、復帰を決定したという。
ジェームズ・ガン監督、復帰のコメント
復帰報道と同時に、ジェームズ・ガン監督も久々のツイート投稿。解雇騒動当時の謝罪ツイート以来となる投稿は、以下のコメントにハートマークをひとつ添えたものだった。
— James Gunn (@JamesGunn) March 15, 2019
「過去数ヶ月間、私を支えてくれた全ての皆さんにとても感謝しています。私は常に学び続け、なり得る最良の自分となるべく努力を続けます。ディズニーの決断に心から感謝します。私たちを結びつける愛の絆を描く映画をまた作れること、嬉しく思います。皆さんの愛とご支持に、これまでも、これからも頭が上がりません。心の底から、ありがとうございます。愛しています。」
論点になっていたこと
ジェームズ・ガン監督の解雇騒動をめぐっては、不適切なツイートは2008〜2011年の過去のものであること、ガン監督本人はこの過ちを既に認めており、当該のツイートは削除していたこと、およびディズニー側はこうした過去も把握した上で雇用していたはずである点から「解雇は不適切だ」との指摘が相次いでいた。この問題は、「人は聖人君子でなくてはならないのか」「過去の過ちを認め、成長する余地は一切許されないのか」といったジレンマも呼んでいた。ガン監督は降板当時、以下の謝罪を行っている。
「今できることは、心から、誠実に後悔の念を表明すること以上に、私自身がなりうる最高の人物になるということだけです。受け入れ、理解し、平等性に貢献し、公の場での発言や責任に対してさらに思慮深くなるということです。私の関わる業界、またそのほかの皆さんに、改めて深くお詫びいたします。皆さんへの愛をこめて。」
監督仲間らも祝福「おかえり」
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズは、ジェームズ・ガン監督の強烈なカリスマ性と作家性に大部分が支えられる作品であり、監督に代わる後任者は見つからないのではないかとの心配もあった。
無事に監督が復帰する知らせを受け、後任候補の1人とされた『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティ監督は、「何だって?僕がやると思ってたのにな!」とワイティティ流の祝福。『アントマン』シリーズのペイトン・リード監督は「おかえり、ジェームズ」と祝った。『ドクター・ストレンジ』(2017)スコット・デリクソン監督も、この知らせを「GLORY HALLELUJA」と讃えた。ネビュラ役のカレン・ギランからも「We are groot」。一言ながら、充分過ぎる節である。
- <
- 1
- 2