ウェス・アンダーソン、アニメ「エヴァンゲリオン」好きが海外で再び話題に ─「説明するのが困難な作品」

『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)などのウェス・アンダーソン監督は過去に、庵野秀明監督による名作「新世紀エヴァンゲリオン」が、自身のお気に入りの作品のひとつであることを公表していた。どうやら、監督が伝えていた本作の説明が海外にて再び注目を浴びているようだ。
アンダーソンといえば、『犬ヶ島』(2018)にて架空の日本都市を舞台にした作品を手がけていたことでも知られる。同作では、作中の随所に黒澤明作品へのオマージュもあった。そんな日本作品を敬愛するアンダーソンは、2009年に行われたGoopの取材にて、「新世紀エヴァンゲリオン」をはじめ、マーティン・スコセッシ監督の『ライフ・レッスン』(1989)、イングマール・ベルイマンの『夢の中の人生』(1980)、コスタ=ガヴラス監督の『ミッシング』(1980)など名だたる監督たちの作品を挙げている。
そんなアンダーソンがアニメ作品として唯一挙げた「新世紀エヴァンゲリオン」は、セカンドインパクトと呼ばれる大災害が発生した世界を舞台に、巨大な汎用人型決戦兵器、エヴァンゲリオンのパイロットとなった少年少女たちと、さまざまな特殊能力を持つ謎の敵・使徒との果てしなき戦いを描いた作品。庵野秀明が公言したように本作はいわゆるロボットアニメだが、実際は物語があまりにも複雑かつ壮大のため、「意味が分からない」「理解不能」となる者も多い。その難解さが同作の良さでもあるが、アンダーソンにとっても説明は難しいようだ。
「これは日本のアニメで、説明するのが非常に困難な作品です。仮に説明しようとしても上手くは伝えられないでしょう。全24話※もありますが、1週間もしないうちに全部見てしまいました。これが現実だと信じたくなってくるからです。このアニメはサイエントロジーのようなものを生み出すかもしれません。」
※26話ある。
いくら難解な作品であっても、説明することから「逃げちゃだめだ!」と言いたくもなるが、確かにそれは容易なことではない。その難しさは放送当時、解説本が本屋に大量に並ぶほどで、今ではYouTubeで相当な数の解説動画が投稿されている。いつの日か、アンダーソンならではの壮大な物語の映画が製作される日もあるかも……?
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Source: Goop , Comicbook.com