ウィル・スミス、ビンタ騒動を予見していた? ─ 「金もキャリアも失う」幻覚を見たと出演番組で告白

2022年3月28日に開催された第94回アカデミー賞授賞式の場で、映画『ドリームプラン』(2022)で主演男優賞にノミネートされていたウィル・スミスが、プレゼンターを務めたクリス・ロックを殴打するというハプニングが発生した。騒動の翌日、スミスは謝罪文を公表。しかし、騒動の余波は大きく、今後に控えていたスミス主演作品の複数の企画には、一時中断といった悪影響が生じている。
キャリア崩壊を懸念する声も各所で見られるなか、2022年5月20日に配信開始となったばかりのNetflixトーク番組「デヴィッド・レターマン:今日のゲストは大スター」にゲスト出演したスミスが語った内容が、アカデミー賞授賞式での一件を予見していたのではないかと大きく話題を呼び、米Varietyといった大手メディアも伝えている。同番組でスミスは成功談を語った後、どんなに富や名声を得たところで物質世界には満足できないという理由で始めたという向精神薬アヤワスカの服用により、それまでに積み上げてきたキャリアを全て失うヴィジョンを見たというのだ。
アヤワスカとは、南米ペルーの国家文化遺産として知られる一種の幻覚剤。2年間以上で計14回の“旅”をしたというスミスは「そのうちの一回が個人として人生最悪の心理経験となった」と明かした上で、「飲んだあと座っていたら、お金が吹き飛んでいくのが見え始めた」と続ける。スミスによれば、幻覚の途中には「カネやキャリアに必死に手を伸ばした」というが、そこでは「全人生が崩壊した」という。レターマンから「それが君の恐れていることなのか?」と訊かれると、スミスはすぐさま首を縦に振る。
その後の幻覚では、娘の幻影に助けを求められ、スミスは失われたキャリアを心配することを止めたそう。最終的に完全に落ち着くことができたというスミスは、この幻覚体験を通じて「自分の人生に何が起きても対処できると気づいた」と語っている。“人生最悪の心理経験”を告白した後、スミスは観客席に向けて「そもそも心配していることの99%は杞憂に終わる」と話し、こうした幻覚が虚構の世界であることを強調。あくまで精神を鍛えるためのいち手段として、体験談を披露した。
しかし、本人の言葉を借りると、スミスは1%を選んでしまったことになる。今となっては、まるで自分の未来の行動を予測しているかのような語りに感じてならないが、スミス出演回の冒頭に「このエピソードは2022年アカデミー賞授賞式の前に収録された映像です」とのテロップが表示されているように、その後に起こした殴打騒動との関連性は無いものと思われる。
Netflix「デヴィッド・レターマン 今日のゲストは大スター」はシーズン4まで配信中。
Source: Variety