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幻の映画版『X-MEN vs ファンタスティック・フォー』ストーリーの詳細が判明 ─ 『シビル・ウォー』映画化のアイデアだった

マーベル
CC0 Public Domain

かつて20世紀フォックスが計画していたという、幻の映画版『X-MEN vs ファンタスティック・フォー』の詳細が明らかになった。米The Hollywood Reporterが伝えている。

2019年6月上旬、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)脚本家のザック・ステンツ氏は、X-MENやファンタスティック・フォー、デッドプール、そしてデアデビルが共演するクロスオーバー映画の脚本を以前執筆したことを明らかにしていた。この企画にはザック氏と『ファースト・ジェネレーション』を共同執筆したアシュリー・エドワード・ミラー氏も関わっており、『ボーン』シリーズのポール・グリーングラス監督が就任する可能性があったという。

報道によると、実現しなかった『X-MEN vs ファンタスティック・フォー』の脚本を執筆したのはザック氏&アシュリー氏。ポール監督が就任を検討していたことも一致している。ザック氏の明かした「クロスオーバー映画」とは『X-MEN vs ファンタスティック・フォー』のことで、同作にデッドプールやデアデビルも登場していたとみられる。

『シビル・ウォー』独自に映像化されていた可能性

映画のストーリーは、ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチがヴィランのモレキュラー・マンを捕まえるべく死力を尽くした結果、マンハッタンが破壊されてしまうところから始まっていたという。ヒーローが大惨事をもたらしたことへの対応として、「スーパーヒーロー登録法」の議論が持ち上がる。むろん、ヒーローたちは登録法への賛成・反対をめぐって対立した。

具体的な展開は不明だが、この映画でカギを握っていたのは「ウルヴァリン vs Mr.ファンタスティック」の対決だったとされる。リード・リチャーズ/Mr.ファンタスティックは、自在に肉体を変形させられる能力によってウルヴァリンを押さえつけると、手をハサミに変えてウルヴァリンの両腕を切断し、ヒーローたちに平和が訪れるという展開だったというのだ。

この作品が企画されていたのは、『ファースト・ジェネレーション』製作とほぼ同時期の2010年。すなわち、まだ『X-MEN』新3部作の展望や『ファンタスティック・フォー』リブート計画は存在しなかっただろう。もし製作が実現していれば、クリス・エヴァンス演じるヒューマン・トーチがヒーローの分裂を生み、ヨアン・グリフィズがヒュー・ジャックマンの腕を切り落とす展開もありえたのだ。ちなみに、ポストクレジットシーンではスクラル人による地球侵略が示唆されていたとされる。

ところが、『X-MEN vs ファンタスティック・フォー』は『ファースト・ジェネレーション』がヒットしたために実現しなかった。フォックスは現状維持を決意し、この企画の代わりに『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)の製作に踏み切ったのだ。そんな中、『ファースト・ジェネレーション』を手がけたマシュー・ヴォーン監督が、スタジオとの意見の相違によってシリーズを離脱したのはまた別の話である。

もしも当時、この作品がこのストーリーのまま実現していたら、おそらくマーベル・シネマティック・ユニバースにも大きな影響が出ていただろう。コミックの有名エピソード『シビル・ウォー』が映像化されたことになるため、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)は作られなかったかもしれないし、クリス・エヴァンスがキャプテン・アメリカに就任していたかもわからない。『キャプテン・マーベル』(2019)にスクラル人が登場していたかも微妙なところだ。

ちなみに報道によると、フォックスはこれ以外にも『X-MEN vs ファンタスティック・フォー』の可能性を模索していたそう。コミックライターであり、マーベル・コミック原作アニメなどの脚本を手がけるウォーレン・エリス氏にも、一時は原案を依頼していたというのだ。

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Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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