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マーベル・シネマティック・ユニバース、「マルチバース」で次の段階へ ─ 『ドクター・ストレンジ』続編、マーベル社長が重要性強調

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2008年『アイアンマン』から現在まで進化を続けてきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。その進化をめぐる次のキーワードは「マルチバース」だという。2019年12月7日(現地時間)、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が「CCXP 2019」で認めた。

MCUのフェイズ4は『ブラック・ウィドウ』(2020年5月1日公開)で幕を開けるが、その大いなる変化は2021年に起こることになりそうだ。「マルチバース」の名を冠した映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』のほか、同作に直結するドラマシリーズ「ワンダヴィジョン(原題)」も発表されるのである。ファイギ社長は今、MCUの歴史をひも解きながら、「マルチバース」と『ドクター・ストレンジ』続編の重要性を明らかにしている。

「われわれがMCUを始動させた時、とにかく大切だったのはトニー・スタークでした。トニー・スタークと、アイアンマンのアーマーを世界に紹介することだったのです。それから、アスガルドの世界とは何か、スーパーソルジャーとは何かを伝えて、彼らを『アベンジャーズ』(2012)に集合させました。僕は宇宙の映画や巨大な銀河の物語も大好きだったので、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)も作りました。観客のみなさんがついてきてくれたので、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のような映画も作れたんです。ずっとタイムトラベルをやりたいと思っていたのが、やっと『エンドゲーム』で実現しました。

MCUの進化において、次のステップが“マルチバース”です。『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』が、(マルチバースを)明らかにするのです。直前の『ワンダヴィジョン』だけでなく、Disney+のシリーズや、その後に登場する映画にも、大きな影響を及ぼしますよ。」

思えば「マルチバース」という発想は、2021年の本格登場に先がけて、早くから観客に定着させられてきたものだ。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のタイムトラベルで“世界が分岐する”という考え方がはっきりと示され、つづく『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)では、別の次元から現れたヒーロー、ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)が物語の鍵を握ったのである。コミックやSFのファンにとってはさして特別なものではない「マルチバース」も、そうではない映画ファンには敷居の高いものとなりうる。時間をかけて「マルチバース」という言葉や概念を紹介し、ゆるやかに物語の核へと結びつけていくという戦略は、すでに始まっているのかもしれない。

なおファイギ社長は、「ワンダヴィジョン」でワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)がいよいよ「スカーレット・ウィッチ」という名前を獲得することを認めており、これもまたMCUの未来に大きな影響を及ぼすと述べている。とすれば、スカーレット・ウィッチとマルチバースに何らかの関係があると予想したくなるところ。ちなみに『ドクター・ストレンジ』続編は、トム・ヒドルストン主演「ロキ(原題)」にも直結していることも判明済み。つまり「ロキ」もマルチバースに関係している可能性があるということに……もうわからない!

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Sources: omelete, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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