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【特集】2018年、マーベル・シネマティック・ユニバースはさらなる活況へ!長編映画3本、ドラマ8作品を続々発表

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2017年、マーベル・シネマティック・ユニバースはかつてない活況を呈した。
『ドクター・ストレンジ』(製作・米国公開は2016年)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』『スパイダーマン:ホームカミング』『マイティ・ソー バトルロイヤル』という、質・量ともにおそるべき充実をみせた長編映画群。『ルーク・ケイジ』『アイアン・フィスト』『ザ・ディフェンダーズ』『パニッシャー』と立て続けに配信されたNetflix製作ドラマ。
そして2018年に日本上陸を果たすドラマ『マーベル インヒューマンズ』のほか、いまだ日本には上陸していない『エージェント・オブ・シールド』シーズン5、『ランナウェイズ(原題:Marvel’s Runaways)』も米国では放送が始まったのである。

そして2018年、マーベル・シネマティック・ユニバースにはさらなる“事件”が起こる予感がする。日本でも観られることがわかっている作品から、米国での放送・配信が決まっているドラマシリーズまで、本記事ではたっぷりとご紹介していきたい。

注意

この記事には、マーベル・シネマティック・ユニバースの過去作品についての言及が含まれています。

2018年、長編映画は3作品

マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)が2018年に公開する長編映画は、『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アントマン&ワスプ(原題:Ant-Man and the Wasp)』の3本。目玉はなんといっても“集大成”である『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』だが、残りの単独映画2本も絶対に見逃せない!

『ブラックパンサー』(3月1日公開)

©MARVEL STUDIOS 写真:ゼータ イメージ

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で初登場を果たしたティ・チャラ/ブラックパンサーの初めての単独映画。父親ティ・チャカを失った青年が、若き国王として故郷ワカンダを治めようとするが、その内外には国家の転覆を狙う存在があって……。予告編のダークなテイスト、クールな映像スタイルは従来のMCU作品になかったもの。政治劇的な側面が取り入れられていると思しきストーリーにも期待しよう。

監督を務めるのは、『フルートベール駅で』(2013)と『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)を手がけた気鋭ライアン・クーグラー。主演のチャドウィック・ボーズマンのほか、ヴィランには『クリード』主演のマイケル・B・ジョーダン、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)以来の登場となるアンディ・サーキスが配されている。ルピタ・ニョンゴ、マーティン・フリーマン、ダニエル・カルーヤ、そして名優フォレスト・ウィテカーといった豪華出演者によるアンサンブルも楽しみだ。

つづく『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の予告編にワカンダの場面がたくさん登場しているあたり、一連のストーリーにおける本作の重要性は推して知るべしといったところ。『シビル・ウォー』のラストでバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーが眠ったのもワカンダだったが、何かしらの言及はなされるのだろうか……?

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(4月29日公開)

©THE RIVER

2008年『アイアンマン』から始まったMCUの集大成にして、2019年公開『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』へと繋がる超重要作品。アベンジャーズのメンバーはもちろん、スパイダーマンやドクター・ストレンジ、ブラックパンサー、そしてガーディアンズ・オブ・ギャラクシーまで総登場する大盤振る舞いだ。ヒーローのみならずヴィランも複数登場する、新キャラクターも参戦するなど諸説あるものの、今のところわかっている内容は「闇の帝王サノスが地球にやってくる」というだけ。

監督を務めるのは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)と『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を手がけたアンソニー&ジョー・ルッソ。社会性をはらんだテーマ、そしてシリアスな群像劇を鮮やかな演出力で一気に見せてしまうその力量は、お祭り映画だった『アベンジャーズ』をさらなる高みへと引き上げてしまうのか? もちろん、これまでMCUを彩ってきたスター俳優たちによる夢の競演にも期待しよう。

『アントマン&ワスプ(原題:Ant-Man and the Wasp)』(7月6日米国公開)

2015年『アントマン』の続編にして、前作ヒロインだったホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)が新ヒーロー・ワスプとしてお目見えを果たす一作。MCU初のラブコメ映画になるともいわれているが、その全貌は依然として謎に包まれている。前作は痛快な強盗コメディだったが、はたして……。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以後の作品とあって、なにやら重要な展開が用意されている可能性もありそうだ。

前作に続いて監督を務めるのは、『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)のペイトン・リード。監督本人の悲願だったというジャイアント・マン(『シビル・ウォー』で先行登場)もいよいよ本格登場するようだ。主演のポール・ラッド、前作から続投するマイケル・ダグラスやマイケル・ペーニャらに加えて、本作ではキーパーソンとしてミシェル・ファイファーやローレンス・フィッシュバーンが新登場。目を見張るような演技派俳優が揃い、さらに層の厚いメンバーで『アントマン』が帰ってくる。

ジャンル多彩、ドラマシリーズも続々登場

『マーベル インヒューマンズ』(2月~)

インヒューマンズ
(c)2017 MARVEL

2018年、日本上陸を果たすMCUのドラマ作品の1作目は冒頭にも記した『マーベル インヒューマンズ』。その“第一章”はIMAXシアターにて2月2日(金)~8日(木)に先行上映されるという特別仕様だ。つづいて無料BS局Dlifeにて3月3日(土)から、Huluにて3月10日(土)から全エピソードが放送・配信される。

本シリーズは米国で2016年に製作・放送され、日本上陸が待たれていた一作。インヒューマンズ(=超人類)のロイヤルファミリーが経験する壮大な冒険を描く物語で、主人公はインヒューマンズの王・ブラックボルト。軍のクーデターによって突然に分断されてしまった王国で、追われる身となった王室メンバーは地球のハワイへ逃亡。美しい自然と人間界に戸惑いながら、お互いを探し出し、祖国へ戻る道を探していく……。

『エージェント・オブ・シールド』シーズン5(2017年12月より米国放送中)

映画『アベンジャーズ』(2012)など初期のMCU映画作品に登場していたフィル・コールソン(クラーク・グレッグ)をはじめ、S.H.I.E.L.D.のエージェントたちを描いた人気シリーズが早くも第5シーズンに突入。シーズン4には、ファン待望のゴーストライダーがついに参戦し、ストーリーはますます盛り上がりを見せつつある。

本作の見どころとなるのは、映画版と設定を絡み合わせながら進行する独自のストーリーテリングだ。シーズン5では、コールソンをはじめとしたS.H.I.E.L.D.メンバーがなぜか2091年の宇宙ステーションに送られてしまい、生き残った人類とともに地球帰還の方法を求めるという物語になるという。ちなみに『エージェント・オブ・シールド』は今シーズンで記念すべき第100話を迎える。日本での放送は未定だが、早ければ2018年内にも見ることができるはず……!

『ランナウェイズ(原題:Marvel’s Runaways)』(2017年11月より米国配信中)

マーベルと米Huluが初めて共同製作するドラマシリーズ『ランナウェイズ』は、2017年11月より米国での配信がスタートし、2018年1月に最終話が配信される予定だ(日本での配信は未定)。Netflix製作のドラマシリーズとも世界観を共有していることが以前明かされている

本作『ランナウェイズ』は、2003年より米国で刊行されているコミックを原案としたストーリー。両親が実はスーパーヴィランだったという事実を知った6人のティーンエイジャーを描く青春群像劇で、親子の衝突や葛藤に重きを置いた内容になっているという。脚本・プロデュースなど製作を統括するショーランナーには、ドラマ『ゴシップガール』(2007-2012)などのジョシュ・シュワルツ&ステファニー・サヴェージが就任している。

『Marvel ジェシカ・ジョーンズ』シーズン2(3月8日配信)

Netflix製作『ジェシカ・ジョーンズ』シーズン2は、すでに2018年3月8日より全世界同時配信が決定している。ジェシカ・ジョーンズ役のクリステン・リッターのほか、レイチェル・テイラーやキャリー=アン・モスといった前シーズンの出演者が続投。ヴィランとして不気味な魅力を放った、キルグレイブ役のデヴィッド・テナントも再登場するという。

『ジェシカ・ジョーンズ』の見どころは、陰惨な事件や犯罪、そこで生じるトラウマの問題をサイコスリラーとして描きつつ、女性ヒーローの物語として見事に成立させている点にある。シーズン2がどんなストーリーになるのかは不明だが、主人公ジェシカの内面により深く迫っていく「エモーショナル・スリラー」になるのだとか。

『クローク&ダガー(原題:Marvel’s Cloak & Dagger)』(2018年米国放送)

https://www.youtube.com/watch?v=E5hrFVQiGyk

マーベルと米国のケーブルテレビ局Freeformが初めて共同製作するドラマシリーズ。
闇で他者を飲み込む能力を持つ少年タイロン・ジョンソン/クロークと、光の短剣を放てる少女タンディ・ボーウェン/ダガーを主人公に、異なる環境で育った男女が心を通わせ、恋に落ちる様子を描く。光と闇という相反する能力をもった二人は力を合わせるが、それこそが世界をより複雑に、そして困難なものへと変えていく……。ほかのMCU作品とは一風変わったストーリーは、どこかクラシックなラブストーリーを思わせるだろう。

闇を操るダガーを演じるのは、ドラマ『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』(2016)のオーブリー・ジョセフ。光を操るクローク役には、歌手・女優として活躍する20歳の新鋭オリヴィア・ホルトが起用されている。ショーランナーを務めるのは、ドラマ『HEROES』(2006-2010)や『Marvel’s デアデビル』(2015-)に参加したジョー・ポカスキ。

『ニュー・ウォーリアーズ(原題:Marvel’s New Warriors)』(2018年米国放送)

米国ケーブルテレビ局で2018年内に放送される予定の『ニュー・ウォーリアーズ』は、さほどスーパーでもない能力を持った、ヒーロー未満の若い男女6人を描くコメディ・ドラマだ。コミックで描かれているヒーローとしての設定をコメディの方向に振り切った翻案や、マーベル最強の女子ヒーロー・スクイレル・ガールの実写化でも話題を呼んでいた。

ショーランナーを務めるのは、ドラマ『クーガータウン』(2009-2015)やエミー賞受賞ドラマ『Scrubs~恋のお騒がせ病棟』(2001-2010)の脚本を手がけたケヴィン・ビーゲル。出演には『THIS IS US 36歳、これから』(2016-)のミラーナ・ヴァインストルーブをはじめとしたフレッシュな顔ぶれが並ぶ。

『Marvel デアデビル』シーズン3(2018年配信予定)

マーベルとNetflixによる共同製作シリーズ、その旗頭として高い評価を受けた『デアデビル』がついに第3シーズンを迎える。内容は未知数だが、原案となるのはコミック『デアデビル:ボーン・アゲイン』(ヴィレッジブックス刊)だという説も。同書はフランク・ミラー原作&デビッド・マツケリー作画による傑作だけに、その映像化とあっては否応なしに期待が高まるところだ。

出演者として、マット・マードック/デアデビル役のチャーリー・コックス、キングピン役のヴィンセント・ドノフリオほか主要メンバーの続投が決定済み。新たにショーランナーとして招かれたのは、DCドラマ『ARROW/アロー』(2012-)や『高い城の男』(2016)を手がけたエリック・オレソンだ。

『Marvel ルーク・ケイジ』シーズン2(2018年配信予定)

直球でエモーショナルなストーリー、魅力的な音楽センスで多くの視聴者の心をつかんだ『ルーク・ケイジ』は、早くもシーズン2の製作が決定済み。ショーランナーには前シーズンに引き続きチェオ・ホダリ・コーカーが就任しているほか、第1話の監督を女優のルーシー・リューが担当することが発表されている

ルーク・ケイジ役のマイク・コルターをはじめ、シモーヌ・ミシック、ロザリオ・ドーソンら主要メンバーはシーズン2にも続投。『Marvel ザ・ディフェンダーズ』につづき、フィン・ジョーンズ扮するアイアン・フィストも登場するということだ。


長編映画3本、ドラマシリーズは(『マーベル インヒューマンズ』を除いて)7作品。もはやあまりにも膨大すぎるマーベル・シネマティック・ユニバース、どこまで追いかけることができるだろうか? 日本上陸の決まっていない作品は多いが、見られる作品だけで手一杯になってもおかしくない本数だ。期待の作品たちが続々と日本にやってくる気配だけを受け止めながら、今はじっと待つほかない……!

©THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。