マーベル「アーマー・ウォーズ」なぜドラマから長編映画に? ─ 「ドラマの予算は映画と同じではない」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『アーマー・ウォーズ(原題)』は、いささか風変わりな変遷をたどっているプロジェクトだ。ウォーマシン/ジェームズ・“ローディ”・ローズを主人公とする物語として、当初はドラマシリーズとして製作が発表されたものの、現在は長編映画として製作する方針に切り替えられている。
当時の報道では、企画変更の理由は「ストーリーを正しく描くため」「長編映画が企画に適していたため」と説明された。実際のところ、より具体的な理由はどこにあったのだろうか? プロデューサーのネイト・ムーア氏が、ポッドキャスト「The Town」にて語った。
「(『アーマー・ウォーズ』には)素晴らしいアイデアがいくつもあったのですが、率直に言って、テレビにはスケールが大きすぎると感じたのです。コンセプト的にもそうですが、[中略]ディズニープラスの番組は、長編映画と同様の予算ではありません。それは周知の事実です。そんな中、テレビで格好良いアーマーを全部出したい、(ウォーマシン役の)ドン・チードルとアーマーすべてを関わらせたい、トニー・スタークのレガシーを……という話になると、テレビでやるには予算の制約が出てきます。」
既報によると、本作はトニー・スターク亡きあとの世界で、「アイアンマン/トニー・スタークにとって最大の恐怖だった、“もしも技術が悪の手に渡ってしまったら?”が現実化する」物語。1987年~1988年に刊行された、コミックの同名ストーリーラインからもインスピレーションを受ける作品となるようだ。
「長編映画として考えれば、コミックの『アーマー・ウォーズ』から美しいイメージを取り入れられるだけでなく、作品のアイデアを利用し、その後の映画にも影響させることもできます。良いものが考えつけば、あとは掛け算になるわけです。」
このコメントが示唆しているのは、『アーマー・ウォーズ』がその後のMCUにも少なからぬ影響を与える一作になるらしいこと。現時点で公開時期は未定だが、『アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ(原題)』『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』とも何らかの繋がりが出てくる可能性もある。ムーア氏の言葉を逆に捉えれば、MCUのドラマ作品は映画との深い繋がりを持たないよう構想されていることになるが……。
映画『アーマー・ウォーズ』の詳細は現時点でほぼ明かされておらず、ウォーマシン/ジェームズ・“ローディ”・ローズ役のドン・チードルが続投すること、脚本を「GIRLS/ガールズ」のヤシル・レスターが執筆することだけが判明している。撮影は2023年を予定していると以前報じられたが、長編映画への企画変更、いまだ監督が決まっていないことなどから、現時点で具体的な目処は立っていない。
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Sources: The Town, The Direct