マーベル、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の不評に衝撃 ─ 「もはや内部のバロメーターは機能していない」?

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は長い転換期を迎えている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)から4年が経過した現在は、新旧のキャラクターが入り乱れる“フェイズ5”の真っ只中。ところが、作品ごとに批評家や観客の評価は著しく分かれており、2010年代中盤~終盤の盛り上がりを取り戻すことには苦戦している状況だ。
なかでも大きな衝撃をもたらしたのは、“フェイズ5”の開幕作であり、マルチバース・サーガの鍵を握る大物ヴィラン・征服者カーンの初登場となった『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)。Rotten Tomatoesの批評家スコアは、MCUの映画史上最低の46%となっている。この結果には、マーベル・スタジオの内部にも戦慄が走ったようだ。
MCUの歴史を追った書籍『MCU: The Reign of Marvel Studios(原題)』の著者ジョアンナ・ロビンソン氏は、本作の不評を受けた内部の反応をポッドキャスト「The Watch」にて語った。
「(マーベル・スタジオは)自分たちのブランドに起きていることを認識しています。私の理解では──数名と話したのですが──彼らは『クアントマニア』の結果に非常に動揺しました。『シークレット・インベージョン』はそれ以上でしたが、『クアントマニア』は大きな動揺を与えたのです。彼らとしては、“誰もがこの映画を気に入るだろう”と考えて公開した。しかし、そうはならなかったのです。」
ロビンソン氏によると、このときマーベル・スタジオの内部ではひとつの見解に至ったという。それは、「もはや内部のバロメーターが、人々の望んでいるものに一致していない」ということ。「彼らは“傑作だ”と思っていたけれど、多くの人々がそうは感じなかったんですからね」。
現在、マーベル・スタジオは作品の製作ペースを落とし、ドラマシリーズの製作方針も見直しに入っている。全米脚本家組合(WGA)や全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキによって否応なく製作がストップしたことは、逆に言えば、スタジオ幹部にとってはMCUの全体像を再考するきっかけになったことだろう。
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』、そして大規模な製作トラブルも報じられている「シークレット・インベージョン」を受けて、今後のMCUはどこへ向かうのか。さらに新たな展開を控え、その進路には世界の注目が集まっている。
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Source: The Watch, ScreenRant