「Black Lives Matter」運動でN.W.A「Fuck Tha Police」やチャイルディッシュ・ガンビーノ「This is America」などの再生回数が急上昇

黒人差別への抗議活動「Black Lives Matter」が世界的な広がりを見せる中、ヒップホップグループN.W.Aの「Fuck Tha Police」やチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)の「This is America」など、多くのプロテストソングのストリーミング再生回数が急上昇を見せている。
2013年、米フロリダ州で黒人の高校生が白人警官に射殺された事件後、SNSを中心に広がった「Black Lives Matter」運動は、2020年5月25日に発生した黒人男性ジョージ・フロイド氏の死亡事件以降、全米のみならず世界中で再び勃発。ウォルト・ディズニー・カンパニーやNetflixなど多くの企業や各界の著名人が人種差別に対する抗議への支持を表明している。
こうした抗議活動に呼応するかのように、SpotifyやApple Musicなど、各音楽ストリーミングサービスでは、人種差別や反警察を歌ったプロテスト・ソングの再生回数が著しく伸びている。IT企業Alpha Dataの分析によると、1988年に発表された「Fuck Tha Police」は、フロイド氏の死亡事件の前5日間と比較して、5月27日〜6月1日の期間での再生回数が272%上昇。同曲は、2015年に発生した白人警官による黒人少年マイケル・ブラウンの射殺事件が火種となった抗議運動の際も再生回数が伸びていたというが、フロイド氏死亡事件後の2日間での再生回数は当時の2倍にも昇るといい、このたびの「Black Lives Matter」運動の規模の大きさが伺える。
ほか同期間で、ジェームス・ブラウンの「Say It Loud — I’m Black and I’m Proud」が455%、2018年の衝撃作「This is America」が149%、パブリック・エネミーの「Fight the Power」が89%、ビヨンセの「Freedom」が70%の急上昇を見せている。
「Fuck Tha Police」は、当時、Ice CubeやDr. Dre、Eazy-Eなどの黒人ラッパーたちで構成された伝説的ヒップホップグループN.W.Aにより発表されたアンチ警察ソング。曲中では「Fuck Tha Police(警察のクソ野郎)」のフレーズが何度も繰り返され、肌の色を理由に差別や偏見を持つ警察官に対する黒人としての怒りと苦しみを表現している。Ice Cubeは以前、白人警官による無抵抗の黒人の殺害について「私を黒人だと実感させるものだ」と、米Rolling Stoneに話していた。「いつも同じです。私たち(黒人)にふっかけられた戦争のようだと常に感じます。恐ろしいことです。」
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