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ディズニー&マーベル、『ブラックパンサー』アカデミー賞全部門へのアピールを開始 ― ヒーロー映画初の快挙なるか

ブラックパンサー
Black Panther (2018) Directed by Ryan Coogler ©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

ウォルト・ディズニー・カンパニーおよびマーベル・スタジオは、映画『ブラックパンサー』(2018)を、来たる2019年の第91回アカデミー賞受賞に向けて全力でアピールしていく作戦だ。
ディズニーが賞レースに向けて開設したウェブサイト「FOR YOUR CONSIDERATION(ご検討いただくために)」では、『ブラックパンサー』のキャスト・スタッフが全部門にわたって並べられている。

https://disneystudiosawards.com/black-panther/consider スクリーンショット[2018/9/12 13:40現在]

特筆すべきは、ヒーロー映画も数多くノミネートされる視覚効果賞、音響編集賞といった技術面の部門のみならず、作品賞や監督賞(ライアン・クーグラー)、主演男優賞(チャドウィック・ボーズマン)、さらには歌曲賞(ケンドリック・ラマー、SZA“All The Stars”)といった部門もきちんとアピールされていることだ。ここまで攻めの姿勢を示しているということは、スタジオ側は『ブラックパンサー』の賞レース制覇によほどの自信があるということか……。

一方、本作で撮影を担当したレイチェル・モリソンは前回(第90回)のアカデミー賞にて撮影賞にノミネートされていた人物だ。衣裳デザインのルース・カーターは過去に2度のノミネート経験があるほか、美術監督のハナー・ビーチラーも複数の賞に輝いたキャリアの持ち主である。スタッフの顔ぶれとしては、彼女たちがアカデミー賞にノミネートされることはまったく不思議ではない。

すでに『ブラックパンサー』は、2018年のMTVムービー&TVアワードで4部門、サターン賞で5部門を制覇している。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は「(『ブラックパンサー』には)最高の演技と最高の芸術性がある。それらが認められるところ、このジャンルが認められるところを見てみたい」アカデミー賞を狙う姿勢を示しており、ディズニー&マーベルは本作の作品賞獲得を目指して、オスカー獲得の戦略専門家であるシンシア・スワーツ氏を雇用するに至っている。

なお『ブラックパンサー』のアカデミー賞受賞について障壁となる可能性が指摘されていた「高い成果を収めた人気映画を対象とする新部門」については、主催の映画芸術科学アカデミーが設立の延期を発表している。したがって『ブラックパンサー』は、前回までと同じ条件下でオスカー像を他作品と争うことになるわけだ。果たしてどこまでノミネートされるのか、そしてヒーロー映画初の快挙となる主要部門の複数受賞となるか…!

映画『ブラックパンサー』MovieNEXは発売中。

Source: Disney
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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