マーベルの誇るスーパーヒロイン、キャロル・ダンバースが活躍するコミック・シリーズ『キャプテン・マーベル』がリブートされる。新シリーズのスタートは、現在展開されているクロスオーバー・イベント『シビル・ウォーⅡ』が終了したあとの2017年になる見込みだ。

キャプテン・マーベル？

『キャプテン・マーベル』は、日本ではまだ馴染みのないシリーズだろう。主人公はもちろんキャプテン・マーベル、しかしこれまで複数のキャラクターがその名前を名乗ってきた。現在のシリーズでキャプテン・マーベルを務めるのはキャロル・ダンバースという女性で、もともとキャプテン・マーベルというヒーローの恋人だったが、自身も超人の能力を身につけて名前を継いだという設定だ。

「シビル・ウォーⅡ」でキャプテン・マーベルはアイアンマンと対立、非常に大きな存在感を示した。すでにマーベル・ユニバースでも特別によく知られたキャラクターになったという。

より広い読者のために？戦略的リブートか

もっとも『キャプテン・マーベル』は、これまでにも幾度となくリブートが繰り返されてきた。現在のシリーズは今年1月に始まったばかりで、読者からすれば「もうやり直すの？」という印象も拭えないだろう。それでも今回のリブート、2017年からの新シリーズは、マーベルによって非常に周到に仕掛けられたものとみられる。

映画化を控えたタイミング

『キャプテン・マーベル』はすでに映画化が決定しており、マーベル・シネマティック・ユニバースの1作として2019年3月に全米で公開される予定だ。『ルーム』のブリー・ラーソンがキャプテン・マーベルを演じる方向で交渉中との噂だが、正式な発表はなされていない。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によれば、夏のうちに主なキャストと監督が発表されるという。

映画版についての話題が活発なタイミングでコミックをリブートし、注目を集めて読者を増やす。映画公開までの2年間で新たな『キャプテン・マーベル』を定着させる……。そんなマーベル側の目論みがうかがえるというわけだ。

実力派作家の起用

また『キャプテン・マーベル』の新シリーズにはヤング・アダルト小説の実力派作家が起用される。ベストセラーとなったダーク・ファンタジー『ビューティフル・クリーチャーズ』を執筆したマーガレット・ストール氏がライターを務めるのだ。

新シリーズの主人公は、現在のシリーズ同様キャロル・ダンバースになる。ストール氏はキャロルについてこう話している。

「キャロルは地球で最も人気のあるヒーローのひとりになるでしょう。でも、それは彼女にとって居心地のいいものじゃない。彼女は愛する人々をたくさん失ったことにも付き合っていかなければならないんです。とはいえ彼女はアルファフライト（地球防衛軍）の司令官で、最新のミッションは士官候補生を採用して鍛えること。未知なる危機がキャロルを脅かすことにもなるでしょうね」

「シビル・ウォーⅡで起きたことを元に戻すことはできない。それらがすべてを、キャロル自身をも変えてしまうでしょう。キャプテン・マーベルは突然有名になってしまった。今、彼女は戦いながら自分自身を見つけるとともに、戦いが以前よりも危険かつ複雑になっていることにも気づくんです」

ストール氏がマーベル作品に関わるのは今回が初めてではない。ゲーム会社で働いていたころに『ファンタスティック・フォー』や『スパイダーマン』のゲームでシナリオを担当したほか、昨年にはマーベルによるヤング・アダルト小説『ブラック・ウィドウ：フォーエバー・レッド』を執筆している。『キャプテン・マーベル』に起用されたのは『ブラック・ウィドウ』が編集者の目にとまったからだという。

『キャプテン・マーベル』新シリーズは2017年春に開始予定。イラストは『アントマン：セカンド・チャンスマン』（邦訳あり）を手がけたラモン・ロザナスが担当する。日本でも映画版の公開までに、この新シリーズをなんとかして読みたいものだが……。『キャプテン・マーベル』の邦訳を期待しているファンも多いはず。出版社のみなさま、どうか、どうかよろしくご検討ください！

source:
http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/captain-marvel-comic-being-relaunched-909345
http://screenrant.com/captain-marvel-comics-2017-relauch-stohl/