「マンダロリアン」解雇のジーナ・カラーノ、ルーカスフィルム作成の謝罪文を拒否したと証言 ─ 米ハズブロ、キャラ・デューン関連商品を停止

『スター・ウォーズ』実写ドラマ「マンダロリアン」主要キャストのジーナ・カラーノが、特定の政治観・価値観に基づくSNS投稿で物議を醸しルーカスフィルムから解雇され、間もなく1週間が経つ。業界メディア大手のThe Hollywood ReporterとDeadlineは、ジーナ・カラーノ解雇騒動の新情報をアップデートしている。
「マンダロリアン」でジーナ・カラーノは、メイン・キャストのひとりである元反乱軍の屈強な戦士キャラ・デューン役を演じた。『スター・ウォーズ』アクション・フィギュアなどでおなじみの米玩具大手Hasbro社は今後、キャラ・デューン関連の商品を製造する予定はないとThe Hollywood Reporterに回答している。
同メディアは関係者からの声として、キャラ・デューンは予定されている「ボバ・フェット」スピンオフ作品に登場する予定はないものの、「物語と商品販売、両者の理由から」今後リキャストがなされるだろうと伝えている。一方でルーカスフィルムの関係者はリキャストを見込んでいないとの反対意見も伝えられており、現時点で情報が錯綜している模様だ。
カラーノ本人は、ルーカスフィルムの解雇発表からわずか2日後に独自の新映画を製作すると発表。これは保守系ニュースメディアのThe Daily Wireと共に、同メディアサイト会員限定で公開予定の映画で、カラーノは「全体主義のモブたちによるキャンセルの恐怖に生きる人々に、希望のメッセージを直に送ります」「私たちの許可なく、私たちをキャンセルさせない」と主張。The Daily Wire創設者で政治評論家のベン・シャピロも、「権威主義的なハリウッドの左翼を侮辱したとして、ディズニーとルーカスフィルムに捨てられた素晴らしい才能を持つジーナ・カラーノ」「考え方が違うというだけでキャンセルを続けるハリウッドに見せつけてやるのです。彼らは私たちに、デス・スターを撃ち落とすX-ウイングを作らせているのだと」と伝えており、彼らは事実上、ディズニーやルーカスフィルムを相手に反旗を翻した格好だ。
このニュースを独占で伝えていた米Deadlineは、カラーノへ新たなインタビューを行っている。カラーノが話したところによると、 「マンダロリアン」シーズン2の配信前、カラーノがSNSのプロフィール表記をめぐってトランス・コミュニティを侮辱しているとされた騒動(2020年9月頃。詳細はこちらの記事を参照)に対し、当時ルーカスフィルム側が謝罪文を作成し、カラーノから発表させたがったという。
しかしカラーノがこれを拒否し、「自分の言葉で声明を出す」と申し出た。後にカラーノは「トランスの方々を嘲笑したつもりはなかった」「ヘイトだって笑顔で受け取ることができるんだと知ってほしかった」とツイートしている。これについてカラーノはこの度、「バイオ(SNSのプロフィール)に代名詞を入れろと強要してくるモブたちの攻撃の注意をひこうとしただけでした」と改めている。
カラーノによればこの結果、ルーカスフィルムは「マンダロリアン」シーズン2(2020年10月30日配信)のプロモーションからカラーノを追い出したという。「心が痛みました。でも、あの企画でご一緒した皆さんの苦労を奪いたくなかった。だから、オーケーと答えたんです。公表する声明や謝罪についてルーカスフィルムとやり取りをしたのは、それが最後のことでした」。
解雇騒動時、ルーカスフィルムはTwitter上で「ジーナ・カラーノをクビにしろ」と訴えるハッシュタグ“#FireGinaCarano”がトレンド入りしてから約6時間で、メディアを通じて解雇通告を下していた。カラーノの説明を受ければ、この時ルーカスフィルムは本人への連絡なく声明を発表したということになる。
「マンダロリアン」シーズン3は2021年4月より撮影を開始する見込みと伝えられている。キャラ・デューンは重要キャラクターだっただけに、物語への影響は少なからず生じるだろう。カラーノがルーカスフィルムに対立的である以上、再雇用は絶望的だ。キャラ・デューンは物語から姿を消すのか、あるいは代役が立てられるのか。評判のシリーズだっただけに、思わぬトラブルには製作陣もファンも気をもんでいることだろう。
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Source:The Hollywood Reporter,Deadline