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トム・ホランド最新作『チェリー』配信でのリリースも視野に ─ ルッソ監督「7月に判断する」

トム・ホランド アンソニー&ジョー・ルッソ
THE RIVER | Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/48385334971/ | Remixed by THE RIVER

トム・ホランド主演、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のアンソニー&ジョー・ルッソ監督の最新作『チェリー(原題:Cherry)』の発表方法について、ストリーミングでの配信も視野に入れ、検討が行われていることがわかった。米Deadlineにてルッソ兄弟が明かしている。

新型コロナウイルスの影響を受けながらも、ルッソ兄弟は、自身の製作会社AGBOにて複数のプロジェクトを進行中。すでに撮影が終わっている『チェリー』もポストプロダクション(撮影後作業)の最中であり、完成までは「あと数ヶ月かかる」という。その一方で本作は──注目度の高さとは裏腹に──劇場公開予定などが一切発表されていない。映画館の営業再開、映画業界の復調について先が読めない中、ジョーは情勢の様子をうかがいたいとの姿勢を示している。

明らかに業界は変化していますし、我々はSVOD(定額制映像配信)で素晴らしい経験をすることができました。この世界が何を維持していくのか、今後数年間、誰もがしっかりと状況を見ていかなければなりません。そして、観客に物語を見せる最善の方法とは何か、ということを踏まえて決断しなくてはいけないのです。(『チェリー』も)その点に基づいて決めることになります。」

ジョーが言及している“素晴らしい経験”とは、二人がプロデュースしたクリス・ヘムズワース主演のNetflixオリジナル映画『タイラー・レイク ―命の奪還―』が配信開始後1週間で視聴回数9,000万回を突破し、サービス史上最多の視聴世帯数を記録したこと、また創作上もNetflixと幸福なパートナーシップを築くことに成功したことだ。『タイラー・レイク』の成功体験は、『チェリー』の発表に影響を与えることになるかもしれない。

同じくアンソニーも、『チェリー』については「我々の計画は、とにかく完成させること、観ていただくこと、ベストな行動とは何かを考えることでした」と述べ、完成後については「(2020年)7月に判断します」と語っている。もうしばらくは作品を完成に導きつつ、世界情勢と業界の動きを見つめるということだろう。

ちなみに、ジョーは自社の作品について「配給の方法に依存しないストーリーテリングを常に志してきました」とも語っている。「配給に変化が起こることは長らく予想していましたし、そこで我々が柔軟かつ自然に対処できれば、ストーリーテリングの機会を増やすことに繋がる。行動の基盤となっていた仮説が効果を生じつつあるのです」。

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Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。