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【ネタバレ】『キャプテン・マーベル』スタン・リーのカメオ出演シーンの意味とは ─ 関係者号泣、逝去後の内容変更も

Photo by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初の女性ヒーロー単独映画『キャプテン・マーベル』には、従来作品と同様、アメコミ界の巨匠スタン・リーがカメオ出演している。コミックやMCUのファンにとっては、“スタンがいつ、どこで、どのように登場するのか”はひとつの見どころとなっているのだ。

残念ながらスタンは2018年11月にこの世を去ったが、『キャプテン・マーベル』の出演シーンは死去の約1年前に撮影されていたとのこと。本記事では、これまでに比べていささか難解なカメオ出演シーンの意味とともに、その撮影秘話をお届けしていきたい。

この記事には、映画『キャプテン・マーベル』のネタバレが含まれています。

キャプテン・マーベル
© MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータイメージ

スタン・リーの読んでいる台本とは

『キャプテン・マーベル』において、スタンは映画の前半、地球に落ちてきたキャロル・ダンヴァースが、自在に容姿を変貌させる能力を持つスクラル人を追って電車に乗り込んだ直後に登場する。姿を変えながら逃走するスクラル人をキャロルは探すが、その途中、ひとりの乗客の顔が見えない。その人物こそがスタン・リーで、彼は映画の脚本を手に、自分に与えられたせりふを練習していたのだった。キャロルがその素顔を確かめると、スタンは笑顔を見せ、キャロルもわずかに微笑み返す。

このシーンでスタンが読んでいる脚本は、『キャプテン・マーベル』の舞台となっている1995年に公開された、ケヴィン・スミス監督の青春映画『モール・ラッツ』(1995)のもの。同作にスタンは本人役で出演しており、カメオ出演の域を出るほどしっかりとした演技を披露しているのだ。すなわち『キャプテン・マーベル』に登場するスタンは、MCU史上はじめての“本人役”。スタンがつぶやいているのは、『モール・ラッツ』で自身が口にする“Trust me, true believer.”という言葉だ。

一部ではよく知られていることだが、『モール・ラッツ』を手がけたケヴィン・スミス監督は、大のコミックマニアとしてイベントやポッドキャストのホストを多数務めている。コミックライターとしても活動するほか、企画進行中の「ハワード・ザ・ダック」アニメ版では脚本・製作総指揮を担当することが決定済みだ。

そんなスミスの作品がMCUに、しかもスタン・リーの出演シーンに登場したことには誰よりも監督本人が喜んだ。『キャプテン・マーベル』を観賞した直後、スミスは「大泣きしています」というコメントをTwitterに投稿したのである。「だけど僕がマーベル・ユニバースに存在するってことは…僕は“指パッチン”を生き延びられたんでしょうか?」

カメオ出演シーン、逝去後に一部変更されていた

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によれば、“スタンが電車で『モール・ラッツ』のセリフを練習している”というアイデア自体は脚本の執筆段階から存在したものだという。そのきっかけは、やはり1995年という時代設定だったようだ。

「どうやって1995年のスタンを(作品に)組み込もうかと。この映画の開発を進めていたとき、90年代の前半に起こったすべての出来事を1年ごとにリストにしていたんです。そうしたら、スタンが『モール・ラッツ』にカメオ出演していた。これは大きかったですね。誰のアイデアだったかは覚えていないんですが、アンナ(・ボーデン監督)とライアン(・フレック監督)だと思います。」

ファイギ社長はスミス監督に連絡を取り、カメオ出演シーンの内容を説明。そして『モール・ラッツ』の使用許可を得たという。すなわちスミスはシーンの内容を事前に知らされていたわけだが、それでも実際の映像を見ると涙がこらえられなかったようだ。スミスは自身のYouTubeチャンネルにて感想の映像を投稿しているが、そこでも「スタンが僕の映画のために練習してくれてるなんて」と涙ぐんでいる。

スミス監督はこの映像の中で、スタンの出演シーンがわずかに調整されていたことを明らかにしている。『キャプテン・マーベル』の撮影にスタンが参加した日、スタンの体調は思わしくなく、セリフを言う声もはっきりしていなかったのだとか。そこでファイギ社長は、スミス監督に「『モール・ラッツ』に(スタンの)別テイクはありませんか?」と尋ねたのだという。スミス監督は自分で映像を管理していなかったため、「(製作の)ユニバーサルに聞けば探してくれるかもしれません」と答えたのだそうだ。

実際の映画本編で、スタンによるセリフはきちんと聞き取ることができる。したがって『モール・ラッツ』の別テイク音声が使用されたか、あるいは音声面の加工が施されているようだ。




またアンナ・ボーデン監督は、スタンの死去後、このカメオ出演シーンに変更を加えたことを明らかにしている。当初はより笑えるシーンとして脚本を執筆していたそうだが、スタンの死によって生まれた“重み”を感じ、適切な形で内容を整えたということだ。

「純粋に笑えるシーンではなく、(スタンに向かって)キャプテン・マーベルが少し微笑んで反応する、ということにしました。少しの間だけ、キャラクターが壊れてしまうんですけどね。観客のみなさんが感じることをわずかに反映していると思いますし、それでも良いと思ったんです。」

スタンがMCU作品に登場するのは、残すところ『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)と、おそらく『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年夏公開)のみ。あとの作品でどんな姿を見せてくれるのか、引き続き楽しみにしておこう。

映画『キャプテン・マーベル』は2019年3月15日(金)より全国公開中。

『キャプテン・マーベル』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel.html

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Sources: EW, /Film, Mashable, Kevin Smith

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条として、海外の映画・ドラマを中心に執筆しています。日本国内の映画やアニメーションも大好きです。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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