【考察】『ドクター・ストレンジ/MoM』予告編で飛んでいる謎の人物の正体は? ─ あり得るかもしれない「5人」の説を検証

マリア・ランボー説
映像で見て取れる風貌から、最も現実的な線の一つが、キャプテン・マーベル関連のキャラクターであるということ。『キャプテン・マーベル』でラシャーナ・リンチが演じたマリア・ランボーの再登場もあり得そうだ。主人公キャロル・ダンバースの親友だったこの人物、「ワンダヴィジョン」では『インフィニティ・ウォー』後に亡くなっていたことが明かされていた。
『マルチバース・オブ・マッドネス』では、「もしもキャロルではなくマリアがキャプテン・マーベルになっていたら?」という世界線から、スーパーヒーローになった別のマリアが訪れるという可能性もある。光をまとって飛行する姿も、バイナリー・フォームのキャプテン・マーベルに似ているところがある。最強クラスの戦闘力で、ストレンジの心強い味方になってくれそう。
モニカ・ランボー/スペクトラム説

そのマリアの娘であり、ドラマ「ワンダヴィジョン」にも登場したモニカ・ランボーが、原作コミック通りに「スペクトラム」として覚醒するかもしれない。
スペクトラムはあらゆる種類のエネルギーを吸収でき、光速で飛行することもできるというヒーロー。映像の人物も、オレンジや青のエネルギー体をまとっているように見える。空を飛べるという能力も一致する。
なおモニカは、コミックでは2代目キャプテン・マーベルを襲名する展開もある。MCUでのキャプテン・マーベルはまだキャロルが現役だが、同様のパワーを扱うヒーローに進化するかもしれない。アイアンマンとウォーマシン、アントマンとワスプのように。
征服者カーンの変異体説
ドラマ「ロキ」の最終幕に登場したカーンの変異体という説もあり得る。「ロキ」に登場したのは、まだ話の通じるカーンだったが、彼はシルヴィによって殺される。今後はマルチバースを司る邪悪なカーンが登場するとされ、それはサノス級の大物ヴィランになると予想されているが、マルチバースのどこかにヒーローとして活動する善のカーンがいたとしてもおかしくない。
あらゆるバージョンのカーンは皆マルチバースに詳しいのだとしたら、その脅威を警告し、全宇宙の秩序を守るべくストレンジと共闘するという展開も考えられなくはないだろう。
ヒューマン・トーチ/ジョニー・ストーム説

『マルチバース・オブ・マッドネス』で期待されているポイントの一つは、『X-MEN』『ファンタスティック・フォー』の旧20世紀フォックスのキャラクターの登場。中でもファンタスティック・フォーについては、リーダーのミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズの登場が待望視されているが、同じくチームの一員であるヒューマン・トーチ/ジョニー・ストームも姿を見せる可能性も捨てられない。
ヒューマン・トーチといえば、身体に炎をまとって戦うヒーローで、飛行能力を持つ。映像の人物がヒューマン・トーチだとしたら、今後予定されているMCUリブート版映画『ファンタスティック・フォー』への橋渡しとして、最高の役目を果たすことになるだろう。
トム・クルーズが演じる悪のアイアンマン説

最もクレイジーな説がこちら。実はロバート・ダウニー・Jr.が演じたアイアンマン/トニー・スターク役には、それ以前にトム・クルーズが候補に挙がっていたという話がある。その過去を活かし、トム・クルーズが別世界のトニー・スタークを演じるという噂があるのだ。
ファンの間で語られているのは、トムが「スーペリア・アイアンマン」を演じるのではないかという話。スーペリア・アイアンマンとは別ユニバースに存在する、トニー・スタークのモラルが逆転した「悪のアイアンマン」。コミックではシルバーのアーマーで描かれている。映像でも、確かにアイアンマンのようなアーマーを着用しているようにも見える。
コミックでスーペリア・アイアンマンを生み出したクリエイターのトム・テイラーも、Twitterで説に反応している。テイラーは「内部情報は何ら持ち合わせていない」としてあくまで個人の見解であることを示した上で、「このアーマーを作った時、彼が怒っている時は赤・オレンジに発光するというデザインにした」と説明している。
Hey, Superior Iron Man is trending.
I have no inside information but when @ycinar and I created Tony’s Endo-Sym armor, it was designed to glow red/orange when he was angry. #DoctorStrange #MultiverseOfMadness pic.twitter.com/mZe7vk2tNG— Tom Taylor (@TomTaylorMade) February 14, 2022
しかしながら、仮にスーペリア・アイアンマンの登場があり得たとしても、トムは本作の撮影と同時期に『ミッション・インポッシブル』第7作で多忙だったはず。確かに撮影場所が両作ともロンドンに重なった時期はあったが、その頃ちょうどトムは、現場のクルーがコロナ対策を怠ったため怒鳴りつけたというニュースで話題になったほど、ピリピリしていた。ストイックな性格で知られるトムが、その前後に『ミッション』を抜け出し、『ドクター・ストレンジ』にもこっそり参加していたとは考えにくい。過度な期待は禁物だ。
果たして正体は?
映像をもとにさまざまな説を考察したが、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で見られたように、予告編ではフェイクの映像に差し替えられていることもあり得るだろう。
もちろん、今回の5人とは全く別のキャラクターである可能性も十二分にある。仮に本作で本当に『X-MEN』ユニバースと合流するのなら、そこにはさらに候補キャラクターが存在するし、マルチバースの可能性を掛け合わせれば、無限のキャラクターが想像できるからだ。
果たして、空を飛ぶこの人物の正体とは。大サプライズか、それとも肩透かしか。全ては2022年5月4日公開の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』本編で確かめよう。全部大ハズレだったら、公開後にこの記事で笑ってくれ!