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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』初期脚本、クライマックスに残酷すぎる案あった ─ お蔵入りアイデア、脚本家が自ら明かす

アベンジャーズ/エンドゲーム

この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

サノス、キャプテン・アメリカの首を斬る

マルクス&マクフィーリーが明かしたうち、最大のサプライズといっていいアイデアは、「残酷すぎるのですぐに脚本から削除した」という、サノスがキャプテン・アメリカの首を斬って持ってくるという展開だ。

アベンジャーズのメンバーが仲間を取り戻すため、6つのインフィニティ・ストーンを過去から集めてきたのち、チームの中には“現在のネビュラ”ではなく、“2014年のネビュラ”が紛れていた。2014年のサノスはアベンジャーズの計画を察知しており、ネビュラの力を借り、量子トンネルを通じて現代にやってくるのだ。サノスの攻撃で破壊されたアベンジャーズ本部にて、ヒーローとサノス軍の決戦が始まる。

脚本の初期段階では、この場面で、サノスがキャプテン・アメリカの生首を持って現れるというアイデアが盛り込まれていたという。2014年のサノスは、現在(2023年)にやってくる前に、まずは2014年のアベンジャーズを壊滅させてきたというわけだ。ちなみに、2014年のアベンジャーズがサノスに壊滅させられても、そのことは2023年には影響を及ぼさない。本作におけるタイムトラベルの仕組みは以下の記事に詳しいので、こちらもご確認いただければ幸いである。

『エンドゲーム』タイムトラベル徹底解説

ところで、このアイデアに特にこだわっていたのがアンソニー&ジョー・ルッソ監督だったとか。米Entertainment Weeklyによるコミコン会場でのインタビューで、アンソニー監督は「サノスがポータルを超えて現れ、キャプテン・アメリカの首を転がす場面はやりたかったですよ」とジョーク交じりでコメント。ジョー監督も「諦められなかったんですが、最後には“わかった、じゃあ第三幕の別の始め方を考えないとね”と。それで現在の形に変わったんです」と話している。

もしもサノスがキャプテン・アメリカの首を持ってくるという展開が現実になっていたら、それは映画の冒頭で、ソーがサノスの首を斬り落とすことと完全に対になっていたことになる。サノスの圧倒的な力をふたたび示すという意味においても、『インフィニティ・ウォー』での暗躍を思い出させる演出として機能していたことだろう。

とはいえ、脚本の執筆段階ではあらゆるアイデアが検討され、見送られていくものである。マルクス&マクフィーリーによると、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で消えてしまったヒーローたちが、最終決戦以前のアベンジャーズ本部に帰ってくるというアイデアも検討されていたそうだ。そこでは、トニー・スターク/アイアンマンがピーター・パーカー/スパイダーマンを温かく出迎え、一緒にピザを買いに行く場面もあったという。このアイデアが見送られたのは、「消えたヒーローは消えた場所に帰ってくるのがふさわしい」と判断されたため。この決断が、サノスとの戦いのさなかに全員を登場させるという展開に結びついたのである。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』MovieNEXは2019年9月4日(水)発売。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Sources: Time, EW

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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