【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』アイアンマンの◯◯に秘められた◯◯ ─ なぜ◯◯◯◯だったのか、監督と脚本家が完全解説

この記事には、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。
「だったら、私はアイアンマンだ」
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で、惑星タイタンにてサノスと戦ったトニー・スターク/アイアンマンは、スパイダーマンやドクター・ストレンジ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとの共闘も実らず、惨敗を喫してしまう。ワカンダで6つのインフィニティ・ストーンを手中に収めたサノスは、指を鳴らして全宇宙の生命を半減させる。トニーの目の前で、ともに戦ったヒーローは塵と消えてしまった。
地球に戻ってきてから5年後、妻ペッパーとの間に娘モーガンをもうけたトニーは、スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカやスコット・ラング/アントマンらが量子の世界を通じて過去に戻り、インフィニティ・ストーンを集めようと計画していることを明かされる。安穏な生活を送っていたトニーは協力の要請を突っぱねるが、ある夜、トニーはタイムトラベルの実験を成功させるのだった。トニーは自分の生活を守ることを条件に、過去への旅、そして失われた生命を取り戻すことを決める。

ところが、やっとのことでストーンをすべて手に入れたトニーたちの前に、過去から量子の世界を通ってサノスが現れた。サノス軍の攻撃によって、アベンジャーズ本部は跡形もなく吹き飛ばされてしまう。荒地と化した本部にて、トニーが作ったガントレットに嵌め込まれた6つのストーンをめぐり、アベンジャーズ&ヒーローたちとサノス軍が激突する。しかし、それでもサノスの能力は圧倒的だった。サノス軍に押される中、ストレンジは、トニーに人差し指を一本だけ立ててみせる。それは、かつてタイタンでストレンジが予見した「約1,400万に1つの勝利」が、今ここで起きている出来事であることを示していた。
窮地に追い込まれる中、トニーはサノスと格闘を繰り広げる。サノスはトニーを振り払い、「私は絶対なのだ(I am inevitable)」と言い放つとガントレットで指を鳴らすが、何も起こらない。トニーはガントレットにしがみついた時、ストーンを自身のアーマーに移していたのだ。ストーンがトニーの右手に収まり、ストーンのパワーがトニーの身体を貫く。「だったら、私はアイアンマンだ(And, I am Iron Man)」。トニーが指を鳴らすと、サノス軍は次々に塵と消えていく。地球は、宇宙は、そしてトニーの愛する者たちの生活は救われたのである。
しかし、トニーの身体はインフィニティ・ストーンの能力に耐えられなかった。アーマーの生命反応が薄らいでいく中、トニーはペッパーやピーター・パーカー、ジェームズ・“ローディ”・ローズらに見守られながら息を引き取る。“もしもの時のために”と録画されたビデオメッセージには、トニーのいつもの調子とわずかな不安、そして「3,000回愛してる(I love you, 3000)」との言葉が残されていた。そして、トニーの葬儀が始まる。そこにはアベンジャーズのメンバーをはじめ、これまでトニーと関わってきた人々の顔が並んでいた。