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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』スタン・リーの出演シーンはいかに決まったか ─ 全編脚本、撮影時に手渡されていた

スタン・リー
©THE RIVER

スタン・リーの登場シーン、脚本の完成後に決定

アベンジャーズ/エンドゲーム』でスタン・リーが登場するのは、トニー・スターク/アイアンマンとスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカが、スペース・ストーンとピム粒子を入手するために向かった1970年の場面。スタンはニュージャージーの軍事施設前を通り過ぎるドライバーとして登場する。ヒッピー風のスタンは、助手席に美女を乗せて「戦争より、メイク・ラブだろ!(Make love, not war!)」と言い放って走り去った。

スタン・リー登場シーンの解説はこちら

Vultureアンソニー&ジョー・ルッソ監督が明かしたところによると、スタンが撮影に参加したのは2018年の夏。すなわち本作の登場シーンは、スタンが2018年11月にこの世を去る、その数ヶ月前に撮られたものだったのだ。ただし本作のスタンには、スタン本人の70年代の写真を基に、CGによる「若返り」が施されている

では、スタンの登場シーンはどのようにして決められるのだろうか。アンソニー監督は「人によってアプローチは違うと思いますが、僕たちは脚本を完成させてから、スタンが登場できるベストな場面を探しています」と述べる。あくまで物語ありきで全体を構想するため、脚本がいったん完成した段階では、まだスタンの登場シーンは書き込まれていないのだそうだ。アンソニー監督いわく「脚本の開発はレイヤーを何層も塗り重ねていくイメージ。(スタンの出番を決めるのは)最後の一層という感じですね」

この観点に立ってみれば、ルッソ兄弟の手がけた『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)でスタンが博物館の警備員として、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でトニー・スターク宛の荷物を持ってくるFedExの配達員として登場するのは、ストーリーとカメオ出演のバランスを絶妙に探った配役だったといえるだろう。

やや趣が異なったのは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の、ピーター・パーカー/スパイダーマンが乗るバスの運転手という役どころだ。「お前たち、宇宙船を見るのは初めてか?」。ジョー監督が「完璧にスタン・リーな出番だった」という同作での登場は、スタン自身が生んだピーター・パーカーの初登場シーンを彩った。

ところが『インフィニティ・ウォー』において、そしておそらく『エンドゲーム』においても、スタンの出番を決める作業はそう簡単ではなかったようである。

ジョー「『インフィニティ・ウォー』の場合、地球を離れてしまうとスタンの登場がうまくはまらないと思いました。宇宙に行った後は物語の密度が高まってしまうからです。」

アンソニー「スタンはたぶん、ワカンダをウロウロしているわけでもないでしょうし…。」

ジョー「映画のトーンが変わった後ですからね。カメオ出演を受け入れられるトーンの場面に出ていただかないといけません。つまり、その場面こそが映画の中でカメオを入れられる部分なんですよ。」

なおマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によれば、スタンは『アベンジャーズ/エンドゲーム』の編集版を観ることなくこの世を去ったという。「完成した映画をプレミア上映で観るのが楽しみだという方でした。ですから、残念ながら(編集段階でも)仕上がった作品を観られなかったんです。カメオを撮影した日に脚本の全編はお渡ししていました」。なお、このことは米国の大手掲示板サイト「Reddit」の一問一答企画にて明らかになったものだ。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Sources: Vulture, Reddit, ComicBook.com(1, 2

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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