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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』序盤、アイアンマンのセリフは即興だった ─ ロバート・ダウニー・Jr.渾身の演技に監督も感嘆

アベンジャーズ/エンドゲーム
ⒸMarvel Studios 2019

この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

トニー・スタークの怒り、演技で増幅

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で惑星タイタンにてサノスに敗れたトニーは、ネビュラとともに宇宙空間をさまよっていたところをキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルに救出される。地球のアベンジャーズ本部に戻ってきたトニーは、そこで『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)以来、スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカやナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウらと再会するのだ。「ぬいぐるみ」のようなロケット・ラクーンとは初対面である。

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サノスへの復讐心、仲間への怒り、敗北の口惜しさ、あらゆる感情が相半ばするトニーは、かつて『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)で提案した、アーマースーツを全世界へ配備するという計画は必要だったのだと強調。スティーブには「“僕たちは負ける”と言っただろう。そうしたら君は“負ける時も一緒だ”と言ったじゃないか。だけど君はいなかった」と怒りをぶつけた。「もう何もない。手がかりも、戦略も、選択肢も。信頼もゼロだ、嘘つきめ」。トニーは怒りのままにリアクターを引き抜き、膝をついて倒れた。

アンソニー監督によれば、トニーがスティーブに怒りをぶつける場面では、ロバートによる即興演技が全面的に取り入れられていたという。

「ダウニーが抜群に素晴らしい演技を見せてくれた場面のひとつだと思います。トニーは父親に見捨てられたように感じていた、そのころの心境に引き戻されている。彼がキャップを攻撃するとき、彼の中にある愛着や信頼の問題が見えますよね。ダウニーは大きな精力を込めて演じてくれました。何度も(撮影を)繰り返すことはしませんでした。彼は全力を出し切っていましたから。(トニーという役柄を)非常に理解していたんです。」

『エンドゲーム』におけるトニー/アイアンマンの重要なセリフは、実は脚本に書かれていなかった言葉が多いことで知られている。娘モーガンがトニーに向かって言い、ラストのビデオメッセージでトニーが口にする「3,000回愛してる」との言葉は、ロバートの子どもによる実際の言葉を映画に取り入れたもの。また、ガントレットで指を鳴らす直前に「私はアイアンマンだ」と言い放つアイデアは、編集段階で考え出され、追加撮影の最終段階で撮り直されたものだった。

アイアンマンのセリフをめぐるエピソードは、いかにこの映画が脚本だけでなく、監督やロバートをはじめとする多くのフィルムメーカーの発想から織り上げられたものであったかを如実に示しているだろう。なかなかスクリーンからは浮かび上がってこない舞台裏にも、ぜひ思いを馳せてみてほしい。

メイキング写真もぜひ

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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