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『ファンタビ』次回作はまだ未定?スキャンダルと議論が招く懸念を分析

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights ©J.K.R.

ハリー・ポッター』魔法ワールド最新作ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密が2022年4月8日、米公開より1週先駆けての日本公開となった。4月12日夜には、ニュート・スキャマンダー役で主演のエディ・レッドメインとユーラリー・ヒックス役ジェシカ・ウィリアムズが緊急来日。13日、地上波テレビの生放送番組に出演したり、ファンイベントに登場したりと、精力的なプロモーション活動が行われている。

日本での興収は初週末にして10億円超えの大ヒットスタート。人気ぶりを見せつける一方で、米メディアはシリーズの今後に懸念を示している。

アメリカ公開を前に、米有力紙Varietyは「スキャンダルと議論が『ウィザーディング』シリーズをいかに脱線させたか」と題した記事を掲載。目下、主に懸念されているのが出演者エズラ・ミラーのスキャンダルと、生みの親であるJ・K・ローリングを取り巻く議論だ。

エズラは『ファンタビ』シリーズ最大のキーパソンの1人であるクリーデンス役を演じる重要人物だが、世界プレミアの2日前にハワイで迷惑行為を働いたとして現地警察に逮捕。釈放後も地元民の住宅に進入する騒ぎを起こし、再び警察に身柄を拘束されていた。一部報道では、事態を重く見た米ワーナーが緊急会議を行ったとも伝えられたが、後に「誇張されている」と否定されている。エズラは2020年にも女性ファンの喉元を強く押さえるような映像が拡散されたことがあった。

J・K・ローリングによるトランスジェンダーやフェミニズムをめぐる発言がネット上で物議を醸す騒動も尾を引いている。エディ・レッドメインらもローリングに同意しない旨を表明した。原作者であるローリングだが、『ハリー・ポッター』の同窓会番組『リターン・トゥ・ホグワーツ』に招待されなかったり、『ダンブルドアの秘密』ワールドプレミアに登場した際も記者と話さなかったり、キャストと一緒に写真を撮らなかったりという後味の悪さも残った。

米ワーナーがこうしたスキャンダルや世論を非常に注視していることは、シリーズ2作目までグリンデルバルド役を演じたジョニー・デップをリキャストした点を見ても明らかだ。ジョニーもまた最重要キャストの1人であったにも関わらず、元妻アンバー・ハードとの結婚生活におけるスキャンダルが明るみになるや、裁判前ながら3作目から降板させられている。ワーナーが降板を求めた時点で、ジョニーは既に数シーンの撮影も済ませており、さらにジョニーへは当初の予定通り出演料を満額支払うことになったという。それほどにワーナー側のリスクマネジメント姿勢は慎重なのである。

米Varieryは、ジョニー・デップ交代の気まずさや、エズラ・ミラーとJ・K・ローリングにまつわる騒動といった懸念点が重なっていることで、スタジオ内部では『ファンタビ』シリーズに「時間と財産の価値がないという認識が広がっている」とさえ記している。こうした事態もあり、米ワーナーは実は『ファンタビ』次回作の製作を正式に決定しておらず、『ダンブルドアの秘密』の反応を見てから決議するとされている。現時点ではまだ脚本すら存在しないとのことだ。

もっとも、『ファンタビ』の『魔法ワールド』シリーズは米ワーナーにとって、DCと並ぶ看板シリーズ。もともと5部作で編成されている『ファンタビ』シリーズがこれで打ち切りになる可能性は極めて低いはずだが、最新作が公開を迎えてもなおスタジオ側が慎重になっていることは間違いない。

米Varietyの報道の論調に合わせて、ここで不安を煽りすぎる必要もないだろう。第4作の脚本がまだ存在しないことについては、以前もプロデューサーのデヴィッド・ハイマンが「書き始めていない」と認めながら、日本を舞台にしたいのだとの希望も語っていた。また米ワーナーには、物語上続編の製作が必然ながら、公開作の反応調査が先行された近例として『DUNE/デューン 砂の惑星』がある。同作は公開後、無事に続編製作が正式決定している。

米ワーナーの社運もかかっている『ファンタビ』次回作は、単純にまだ製作が初期段階にあるだけのものと考えておくのが良いだろう。アメリカ公開を迎えれば、なんらかの続報が届くはずだ。

ちなみに日本は『ファンタビ』シリーズにとって非常に大きな市場であり、前作『黒い魔法使いの誕生』ではなんとシリーズの膝下イギリス興収を超えている。この度エディやジェシカが異例の緊急来日を果たしたのも、おそらく日本市場が重視されているからだ。日本のファンの盛り上がりがあれば、少なくともシリーズの今後を明るく活気付ける大きな後押しになることは間違いないのでは。映画館で応援しよう。

Source:Variety

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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