「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第1話の銀行シーン、マーベル社内で物議

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の第1話『新たなる世界秩序』に登場した“銀行のシーン”が、マーベル・スタジオの社内で物議を醸していたことがわかった。米Entertainment Tonightにて、脚本・製作総指揮のマルコム・スペルマンが明かした。
この記事には、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第1話『新たなる世界秩序』のネタバレが含まれています。

スーパーヒーローの経済状況
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では、これまでのMCU作品では語られなかった“スーパーヒーローの生活”が踏み込んだ形で描かれた。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)後の5年間、ファルコン/サム・ウィルソンの実家は、サムの消滅によって収入を失い、極めて厳しい状況にあった。両親の遺した船は維持費がかかり、このままでは実家さえ失いかねない。
妹のサラを連れて、サムは銀行を訪れて融資を希望する。しかし、サムも経済状況は決して豊かではなかった。ヒーローは活躍への報酬ではなく、ヒーロー支援の基金や、人々からの善意によって収入を得ていたことが明かされるのだ。「ずっと善意を頼りに生きてきたんですか?」と問う銀行員の言葉が刺さる。サムは政府と契約しているが、“指パッチン”で消滅していた人々が戻ってきた現在の情勢では、それも収入の証明にならない。たとえスーパーヒーローでも、銀行の融資を受けることはできないのだ。
スペルマンは「あのシーンはマーベルの中で話題になっていた」と語る。脚本の段階で、マーベル・スタジオの幹部を含むスタッフから製作チームには続々と電話がかかってきたというのだ。社長のケヴィン・ファイギをはじめ、ルイス・デスポジート、ヴィクトリア・アロンソ、ネイト・ムーアというMCU作品のプロデューサーたちが、ひとこと言わざるを得なかったということだろう。「マーベルの誰もがアイデアを言いたがっていた」とスペルマンは振り返る。
マーベル側のリアクションを、スペルマンは「僕らと一緒に仕事をしている方々、そしてマーベルで働くみなさんの心に届いたということ」だと喜んでいる。「スーパーヒーローも結局は普通の人間だということ、そしてスーパーヒーローとして生きるのは簡単ではないということをある程度は描けたからでしょう。ほとんどのスーパーヒーローはお金がない。特にトニー・スターク不在の今では」。
おなじみのヒーローの“日常”をじっくりと描けるのは、たっぷり時間を費やして物語を描けるドラマシリーズならでは。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は、ほかにも現実世界を思わせるリアリティがさまざまな形で取り込まれている。サムをめぐっては、第2話『星条旗を背負う者』に戦慄のシーンが登場したことも忘れられない。マーベル・スタジオに衝撃を与えた銀行のシーンは、少なからずシリーズのトーンを決定づけたことだろう。
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は配信中。
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Source: Entertainment Tonight