『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』がダークな理由 ─ 今後さらに『ハリー・ポッター』の始まりに繋がっていく

“ハリー・ポッター魔法ワールド”の新たなシリーズとして、『ハリー・ポッター』で描かれた以前の魔法の世界を描く『ファンタスティック・ビースト』は、現在シリーズ第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が大ヒット公開中だ。
シリーズ第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)では、新たな主人公ニュート・スキャマンダーを始めとする新キャラクターたちが登場し、『ハリー・ポッターと賢者の石』から約70年前、1926年のアメリカを舞台に描かれた。

魔法生物学者のニュート・スキャマンダーが、魔法動物が収められたスーツケースをパン屋志望のジェイコブのそれと取り違えてしまう、という物語の起点からして、『魔法使いの旅』は比較的明るい映画だ。ニュートは逃げ出した魔法動物の捕獲に忙しく、不思議な生態系を持つ彼らの大捕物もコミカルに描かれていた。
そんな中でも、エズラ・ミラー演じるクリーデンスをめぐる物語は、早くもダークさを帯びていた。この印象はクリーデンスを中心に、続編『黒い魔法使いの誕生』で一気に拡大。1作目『魔法使いの旅』と比べて、ややダークな作風となった。

思えば、『ハリー・ポッター』シリーズもそうだった。1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)は、まだ幼いハリーたちが、大人たちに守られながら魔法世界で冒険を繰り広げる少年少女物語だった。ところが作品を重ねるにつれ物語は深刻化していき、次第に暗い展開に身を投じていった。
「1作目は明るかった」今後はダークに
『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』映画シリーズでプロデューサーを務めるデヴィッド・ハイマンが米Colliderに語ったところによれば、全5部作構成の『ファンタスティック・ビースト』も、やはり次第にダークになっていくという。
「1作目はちょっと明るめの映画でしたよね。あの世界の紹介としてあったような。これから、ディープになって、ちょっとダークでエッジーになっていくと思います。計画されているわけではないんですけど。」
J.K.ローリングはまだ全5作の物語を書き終えていないため、デヴィッドが認めるようにこれは予見に過ぎない。しかし、ダークな展開を見せるであろう理由については、「”観客はこういうのを求めるだろう”っていうことではないんです」と明言している。「単純に、素晴らしい心、鮮やかで、信じられないイマジネーション、つまりジョー(J.K.ローリング)が生み出していくものです。」
既に鑑賞された方ならお分かりのとおり、デヴィッドは2作目『黒い魔法使いの誕生』について「1作目が辿った道とは違っている」と紹介している。「もっと深く、物語の繋がりを組んでいこうということです。お客さんはこういうのが好きだろう、という理由ではありません。こういう物語だからです。」
『ファンタスティック・ビースト』は、今後は2年置きに新作が公開される予定だ。ニュートたちの物語は、じっくりと時間をかけて『ハリー・ポッター』に結びついていく。まるで、サーガの起点を描いた『スター・ウォーズ』プリクエル3部作のようなカタルシスが得られそうだ。デヴィッドは、ファンが今後の展開を待てなくなるような言葉も残している。
「さらに進んで、さらにタイムラインの先に行くと、『ハリー・ポッター』の始まりに近づいていく。物語の繋がりが、もっと明らかになっていきますよ。」
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は2018年11月23日(金・祝)より大ヒット公開中。
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『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/
Source:Collider