アン・ハサウェイ、見逃してるかも作品6選 ─ 『プラダを着た悪魔』とあわせて観たい

ハリウッドの第一線で常に活躍を続ける女優アン・ハサウェイ。米コメディドラマ「ゲット・リアル」(1999-2000)の主演で一躍名を馳せて以降、『プラダを着た悪魔』(2006)『レ・ミゼラブル』(2012)『インターステラー』(2014)『マイ・インターン』(2015)……と、数え始めるときりがないほど多くの名作に出演を重ねてきた。
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2009年にジョナサン・デミ監督作『レイチェルの結婚』(2008)でアカデミー主演女優賞に初めてノミネートされたハサウェイ。その4年後には、『レ・ミゼラブル』にて助演女優賞受賞を成し遂げている。そんなアン・ハサウェイだが、冒頭で列挙した代表作のほかにも注目作は多々ある。
本記事では、意外に知られていなさそうなアン・ハサウェイ作品をピックアップしてご紹介。これを機に彼女の魅力にもっと迫ってほしい。
『ゲット・スマート』(2008)
スティーブ・カレル、ドウェイン・ジョンソン、テレンス・スタンプら豪華俳優陣が集ったコメディ要素たっぷりのスパイ・アクション映画。ハサウェイは、スパイを目指す敏腕分析官マックスウェル・スマート/エージェント86(カレル)と共に国際犯罪組織を追うエージェント99を演じた。
ハサウェイ演じるエージェント99は、整形手術を受けて国際犯罪組織に顔が知られていないという設定。劇中では旅客機からスカイダイビングをしたり、潜入先のパーティで華麗なダンスを披露したりと、ミッション遂行のために何でも軽々とこなすエージェント99をハサウェイは好演している。コメディ俳優として名高いカレルとの息ぴったりな掛け合いにも注目してほしい。
監督は、アダム・サンドラー&ドリュー・バリモア出演のロマンティック・コメディ『50回目のファースト・キス』(2004)などで知られるピーター・シーガル。2008年には続編の製作が発表され、カレルやハサウェイの続投も伝えられたが、以降の進捗は不明となっている。
『レイチェルの結婚』(2008)
ハサウェイがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたロマンス映画。アルコール依存やドラッグ中毒に苛まれ、リハビリ施設の入退院を繰り返す主人公キムを演じている。
本作は、姉レイチェルの結婚式をきっかけに、キムが実家に帰るところから物語が展開していく。家族と久々の再会を果たすキムだが、自身が抱える問題や将来を巡って衝突してしまう。複雑な問題を内に抱える女性をハサウェイは繊細に、そして時には大胆に表現。ハートウォーミングな場面も切り取りつつ、現実をリアルに映し出した1作だ。
共演者には姉レイチェル役で『グッバイ、リチャード!』(2018)のローズマリー・デウィットほか、『愛と青春の旅だち』(1982)のデブラ・ウィンガーや『インターステラー』(2014)ビル・アーウィンらが脇を固めている。監督は『羊たちの沈黙』(1991)『フィラデルフィア』(1993)などで知られるジョナサン・デミが務めた。
『ラブ & ドラッグ』(2010)
ジェイク・ギレンホール共演、互いに身体だけの関係を求める男女を描いたロマンティック・コメディ映画。ハサウェイは、若年性パーキンソン病を抱えているが故に恋愛関係を避ける女性マギーを演じた。
製薬会社の営業マン、ジェイミーは仕事中にもお構いなしで目に留めた女性を口説き落とし、セックス・ライフを謳歌していた。ある時、マギーと出会ったジェイミーはいつものように身体だけの関係を築くも、思いがけず恋をしてしまうのだった…。
本作でハサウェイはゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネート。『レイチェルの結婚』(ドラマ部門)以来の同賞ノミネートとなったハサウェイは、女優としての地歩を着々と固めていくことになる。
監督は、『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(1994)『ラスト サムライ』(2003)『ブラッド・ダイヤモンド』(2006)などのエドワード・ズウィック。共演には、『美女と野獣』(2017)ジョシュ・ギャッド、『評決のとき』(1996)オリヴァー・プラット、『大いなる遺産』(1998)ハンク・アザリアらが名を連ねている。
『シンクロナイズドモンスター』(2016)
職なし、家なし、恋人なしのダメ・ウーマンと、街を壊滅させる大怪獣がシンクロしてしまうSFモンスター映画。ハサウェイは職探し中のライター、グロリア役で主演を務めた他、製作総指揮にも就任している。
韓国・ソウルに突如現れた巨大怪獣と動きがシンクロしてしまうという奇想天外なアイデアで展開されていく本作は、ハサウェイが『レ・ミゼラブル』『インターステラー』『マイ・インターン』などを経た後に出演したインディペンデント映画。まさにハサウェイの多才ぶりを再認識する1作と言えるだろう。
メガホンを取ったのは、地元スペインで短編映画の多くやインディペンデント映画を手がけてきたナチョ・ビガロンド監督。共演には、『アングリーバード』シリーズのジェイソン・サダイキス、『美女と野獣』(2017)などで知られるダン・スティーヴンスらが名を連ねている。
「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」(2019)第3話
米New York Times掲載のコラム「Modern Love」に基づく米Amazon製作のロマンティック・コメディ。ハサウェイのほか、デーヴ・パテールやクリスティン・ミリオティ、ティナ・フェイ、エド・シーランらが出演する全8話構成のアンソロジー・シリーズだ。
現代のニューヨークを舞台に、思いも寄らない人物との友情や繰り返される失恋、節目を迎えた結婚生活などが温かく描かれる。ハサウェイは第3話のメインキャラクターとして登場。双極性障害を抱え、うつ状態に陥る弁護士レキシーを演じた。シリアスな題材を扱いながらも、作中では『ラ・ラ・ランド』(2016)のようなミュージカル形式の演出も楽しむことができる。ハサウェイは持ち前の実力で安定の歌声とダンスを披露した。
うつ病の影響で仕事もプライベートにも支障をきたしてしまったレキシーの心の浮き沈みを表現したハサウェイの等身大の演技には、多くの視聴者が共感するのでは。34分のエピソードなので、気軽に観ることができる。
『マクマホン・ファイル』(2020)
ベン・アフレック&ウィレム・デフォー共演、Netflixオリジナルのスリラー作品。ハサウェイは反共ゲリラ取材の為に中米ニカラグアに滞在するジャーナリスト、エレナ・マクマホンを演じた。
政府からの圧力で取材活動の停止を余儀なくされたエレナは、死期が迫る父親リチャード(ウィレム・デフォー)が関与する武器取引を代わりに引き受けることになる。しかし、そこには想像以上に危険な陰謀が潜んでいた…。
監督は『ブルースの女王』(2015)『マッドバウンド 哀しき友情』(2017)などのディー・リース。上述のキャストほか共演者には、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020)ロージー・ペレス、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)エディ・ガテギ、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)トビー・ジョーンズらが名を連ねている。
今後も主演作が続々
『魔女がいっぱい(原題:The Witches)』
ロアルド・ダールの同名児童文学の実写映画化企画。ハサウェイは魔女たちの一員「大魔女(Grand High Witch)」役を演じる。
脚本・監督を務めるのは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)などを手掛けた巨匠ロバート・ゼメキス。プロデューサーには『パシフィック・リム』(2013)『シェイプ・オブ・ウォーター』(2018)のギレルモ・デル・トロ、『ゼロ・グラビティ』(2013)『ROMA/ローマ』(2018)のアルフォンソ・キュアロン、そしてゼメキス監督作品に多数携わるジャック・ラプケが名を連ねている。2020年10月22日に米HBO Maxにて米独占配信。
映画版『セサミストリート(原題)』
世界中で愛される同名の子ども向けテレビ番組を映画化する本企画は、米ワーナー・ブラザース製作のミュージカル作品。
メガホンを取るのは、エミー賞受賞コメディドラマ「Portlandia」(2011-2018)を手がけたジョナサン・クリゼル。プロデューサーには、映画『メッセージ』(2016)やドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016-)で知られるショーン・レヴィが就任している。脚本の草稿を執筆しているのは、Netflixドラマ「アメリカを荒らす者たち」(2017-2018)のマイク・ロソリオと『キングス・オブ・サマー』(2013)のクリス・ギャレッタ。米国公開は2022年1月14日予定だ。
ハサウェイのほか出演者には、ヒップホップ・アーティストのチャンス・ザ・ラッパー(Chance the Rapper)が交渉中と2020年3月に伝えられている。
ビル・マーレイとのバディ映画など注目作がたくさん
上述2作のほかハサウェイは、『アド・アストラ』(2019)などで知られるジェームズ・グレイ監督の新作映画『Armageddon Times(原題)』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)ダグ・リーマン監督がパンデミックを題材とした強盗映画を撮る『ロックダウン(原題:Lockdown)』など、複数の待機作がある。
また、ビル・マーレイと共演のバディ映画『Bum’s Rush(原題)』や、パリで仕事と家庭に奮闘するジャーナリストを描く新作映画『French Children Don’t Throw Food(原題)』でも主演を務める予定だ。
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Source: Archive Today