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『ドクター・ストレンジ/MoM』前作監督の降板劇、マーベル社長が語る ─ 「誰も信じないでしょうが、純粋に創造上の相違だった」

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
©Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の日本公開が、いよいよ2022年5月4日(水・祝)に近づいてきた。本作は『ドクター・ストレンジ』(2016)の続編であり、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で本格的な開幕を迎えた“マルチバース”のコンセプトを掘り下げる一作だ。

もともと本作は、前作のスコット・デリクソン監督が手がける予定の一作だった。しかし2020年1月、デリクソンは「創造上の相違(creative difference)」を理由に監督の座を降板。後任には『スパイダーマン』3部作でも知られるホラー映画の巨匠、サム・ライミが就任したのである。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、このたび英Empireにて、この“監督交代劇”について口を開いた。

「私たちはスコットが大好きだし、スコットも気持ちは同じだと思います。誰も信じないでしょうが、本当に純粋な“創造上の相違”だったんですよ。」

監督降板が報じられた当時、マーベル・スタジオとデリクソンは、あくまでも友好的離脱であることを揃って強調していた。事実、デリクソンは製作総指揮として企画に残留しているのである。ただし一部のメディアやジャーナリストは、デリクソンが『ドクター・ストレンジ』の続編にホラー要素を強く求め、マーベル側がこれに応じなかったのが原因ではないかと噂してきた。今回、ファイギ社長はこの推測をきっぱりと否定している。

(怖い映画にすることが)スコットとマーベルの創造上の相違だったという意見もありますが、それは違います。なぜなら、私たちもそのアイデアは気に入っていたから。ストレンジが私たちを、この世界の非常に恐ろしい部分に導いていくのが狙いだったんです。」

すなわち、デリクソンが降板したのは作品のホラー要素とは異なるところにあったのだろう。本作の離脱後、デリクソンは創作のパートナーであるC・ロバート・カーギルとともにホラー映画『The Black Phone(原題)』を監督(2022年6月24日に米国公開予定)。同作でもタッグを組んだカーギルは、デリクソンの降板劇について、以前「(デリクソンが)“やりたいことに妥協して続編を作るか、それとも『The Black Phone』を作るか”ということを判断した」のだと語っていた。いずれにせよ、企画中になんらかの“妥協”が必要になり、そこで降板を選んだことは確かなことだ。

ちなみに、デリクソンは現在でもマーベルとの友好関係を公にしている。ファンからマーベル作品への復帰について尋ねられた際、彼は「マーベルとの仕事は大好きだったし、また是非やりたい」と答えたのだ。それが実現するかどうかは、おそらくまだ誰にもわからない。

映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は2022年5月4日(水・祝)より全国公開。

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Sources: Empire Magazine 2022 May, /Film

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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