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「どうしてこうなった」MCUでずっと2人1役のハワード・スターク、青年時代は『アベンジャーズ/エンドゲーム』に出られなくて残念

ドミニク・クーパー ジョン・スラッテリー
Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36177965615/ | Romina Espinosa https://commons.wikimedia.org/wiki/File:JohnSlattery08.jpg | Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)には、しばしばキャスト交代の例がある。ハルク役のエドワード・ノートンとマーク・ラファロ、ウォーマシン役のテレンス・ハワードとドン・チードル、そして最近ならサディアス・ロス役のウィリアム・ハートとハリソン・フォードがその代表格だろう。

そんな中、MCUの黎明期から現在に至るまで、“2人1役”が継続されているキャラクターがいる。ロバート・ダウニー・Jr.が演じたトニー・スタークの父親、ハワード・スタークだ。『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)や「エージェント・カーター」(2015-2016)ではドミニク・クーパーが、『アイアンマン2』(2010)や『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)ではジョン・スラッテリーが演じている。

この現象について、クーパーは米ComicBook.comにて「おかしいよね、彼(スラッテリー)と話したい」と冗談めかしながら語った。「『マッドメン』に出ていたときの彼は大好きだったよ、夢中だった」とまるで対立関係にあるかのような口ぶりだが、あくまでもすべてはジョークだろう。

「困ったことに、『キャプテン・アメリカ』の撮影を終える頃に、いずれ『アベンジャーズ』に出ると言われていました。だけど、結局は僕じゃなくて彼が出た。だから、彼とは腕相撲をするか、理由を話し合いたい。どうしてこうなったのか、誰が選んだのか。(劇中の時代設定は)僕が演じていた時代だったから、僕がやるべきだったんじゃないのかなあ。彼を若く見せていたけど、僕が老けるのではダメだったのか。だけど、彼はいい役者だから……。」

ここでも語られているように、ハワード・スタークの2人1役は時代設定によって分けられている。第二次世界大戦の前後、まだ若い頃のハワードをクーパーが、歳を重ねた後のクーパーをスラッテリーが演じているのだ。

クーパーが「結局は僕じゃなくて彼(スラッテリー)が出た」と言っている『アベンジャーズ』とは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のこと。トニーがタイムトラベルした先の1970年で、わずかにその姿を見せていた。

したがって、クーパーは「僕が演じていた時代」すなわち第二次世界大戦前後と認識しているが、実際は『アイアンマン2』でスラッテリーが演じた1974年当時のハワードのほうが時代は近い。ゆえに製作陣は、クーパーではなくスラッテリーを『アベンジャーズ/エンドゲーム』に起用したのだろう。

「もともと彼はオリジナル(のハワード)じゃないでしょ? 彼がオリジナルだっけ? もうわからない!」と頭を抱えているクーパー。正解は、MCUに登場したのはスラッテリーが先だが、劇中の年代的にはクーパーが先である。

なお、マーベル・スタジオは2人1役のルールを厳格に守り続けており、アニメシリーズ「ホワット・イフ…?」(2021-2024)では、ハワードの声をクーパーとスラッテリーが年代別にそれぞれ演じている。今後の実写再登場があるとすれば、やはり劇中の時代設定が問題になるのだろう。

Source: ComicBook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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