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マーベル・スタジオ、ハルク3部作を実現へ ― 第1弾は『マイティ・ソー バトルロイヤル』ってどういうこと?

マーベル

マーベル・シネマティック・ユニバースを展開するマーベル・スタジオにとって、ハルクというキャラクターは“思うように扱えない”キャラクターの一人だった。2008年に単独映画『インクレディブル・ハルク』をユニバーサル・ピクチャーズが製作して以降、マーベルをディズニーが買収したあとも、単独映画『ハルク』を製作する権利はユニバーサル社にあったのである。
2017年7月、ブルース・バナー/ハルク役のマーク・ラファロは「単独映画『ハルク』は絶対にないだろう」コメントしている

しかしマーベル・スタジオは、そんな中でもハルクのストーリーをなんとか作り上げる方法を探っていたようだ。そしてその結果、念願の「ハルク3部作」を実現させるに至ったのである。その第1弾は『マイティ・ソー バトルロイヤル』……って、ハルクが主役じゃないのでは?

マーベル社長の「3部作」作戦

CinemaBlendのインタビューに登場したラファロは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』の製作に入る以前、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギ氏と話した内容をこのように回想している。

「この映画を作る前に、ケヴィンが僕を呼び寄せて言ったんです。“もしもあなたがやれて、もしもハルクの単独映画が作れるとしたら、どんな映画になるでしょう?”って。だから僕は、“こういうことをやるべきですよ。こうして、こうして、こうして、こういう風に終わる”って言いました。そしたら彼が“すごくいいですね。次の映画3本でやりませんか? 『マイティ・ソー3』と『アベンジャーズ』の3, 4作目で”って言うんですよ。だから“最高じゃないですか!”って。だから僕たちは、今その始まりにいるんです。」

かつてラファロは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』でハルクに大きな変化が起こる、それは『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』で終わる、と話したことがあった。つまりその計画は、マーベル・スタジオがあえて3部作として構想したものだったのである。

『アベンジャーズ』(2012)、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)に登場したブルース・バナー/ハルクは、これまで多くのファンに単独映画化を望まれていたキャラクターだった。権利問題で厳密には実現できない問題を、マーベル・スタジオは“単独映画ではないが、単独映画さながらの仕掛けを用意する”という方法で突破しようとしているのだろう。

“ハルク3部作”どんなふうに始まる?

注意

以下の内容には、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のネタバレと捉えうる内容が含まれています。

“Yeah, same.” #Thorsday #ThorRagnarok in theaters November 3

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通称「ハルク3部作」とでも名付けるべきだろうか。その第1弾となる『マイティ・ソー バトルロイヤル』で、ハルクの新しいストーリーは一体どのように始まるのだろう? そのヒントは、すでに予告編でも明らかになっているように「ハルクが喋れる」という点にあるという。

ハルクが喋るのは、アイデンティティの分裂した人間をふたりの個人にする、そのアイデンティティを分けることの始まりなんですよ。(物語として)最後に向かっていくところもありますしね。すごく楽しみにしていました。
彼(ハルク)はまるで子供みたいなんですよ、5, 6歳みたいなんです。同じ言葉を持っていて、同じ見方で世界を見ていますから、それも楽しかったですね。まるでクリス(・ヘムズワース)みたい……。そうやって、キャラクターを再開発することができたんです。」

では、もしブルース・バナーとハルクにうまく分かれたとして、彼/彼らにはそれからどんな展開が待ち受けているのだろうか? 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年4月27日公開)ではヒーローたちと闇の帝王サノスが対決するわけだが、その戦いにどんな意味をもたらすことになるのか……。

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は2017年11月3日より日米同時公開
「ハルク3部作」の幕が開くまでもうあと少し、まずはソーとのタッグがどうなるのかが問題だ。

Source: https://www.cinemablend.com/news/1712449/apparently-mark-ruffalo-and-kevin-feige-have-planned-a-special-trilogy-for-the-hulk

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。