『インターステラー』公開時は冷遇、今や『ダークナイト』と並ぶ代表作になったとノーラン監督 、「当時はまだ追いついていなかった」

最新作『オデュッセイア』も期待のクリストファー・ノーラン作品、特にお気に入りの作品はどれ?そう尋ねられて、『インターステラー』(2014)を挙げるファンも多いだろう。
マシュー・マコノヒーやジェシカ・チャステイン、アン・ハサウェイ出演の、ノーランらしさがよく出たSF映画。地球を離れた惑星や宇宙空間を舞台に、本格的な化学考証に基づく複雑な論理を操りながら、親子の愛や人生を感動的に描き上げた。
ノーラン最高傑作の一つに数えられ、今なお高い支持を集める『インターステラー』について、クリストファー・ノーランは出演のティモシー・シャラメと共に登壇した米ロサンゼルスの上映イベントで、「この映画は(公開当時)やや評価が分かれる受け止め方をされた」と振り返る。米Rotten Tomatoesのスコアは73%で、これは『ダークナイト』3部作(85〜94%)や『インセプション』(87%)など他の監督作と比べると賛否分かれる結果。一部批評家は、科学描写や物語構造を批判した。
「少し鼻であしらわれた。批評家からも観客からも、反応は少し冷ややかだった」とノーランも認めるが、「世界興収ではとても良い稼ぎになった」とも指摘。およそ1.6億ドルで製作された本作は、公開時の世界興収は6.8億ドルをあげて商業的成功を収めている。
「ただ、当時の人はまだ……“追いついていなかった”と言うのはエゴのように聞こえるけど、私の作品に準備ができていなかったのです」とノーラン。「匿名のプロデューサーからは、“彼は冷たい映画を作る、冷たい男だ”と言われました。そのことが数本の企画で私について回った」。
その後、時を重ねるごとに『インターステラー』への評価も熟成されることになる。ノーランは「文化に対して、すぐに何かを受け入れてくれと頼むのは無理な話です。ある意味、求めすぎです」と述べている。「映画に本当に深く共鳴した個人と話せば、その存在はそこにあるとわかる。自分の仕事はこなしました。あとは時代精神と、自分がそこにどう位置付けられるかです」。
実際に、時代が追いついたとも言えるだろう。「この映画は年を追うごとに人の心に触れ、育っているようです」とノーランは実感を語る。今では名刺がわりの一作だ。
「長年、私は『ダークナイト』の監督として見られ、その話をされてきました。しかしここ10年で、それが『インターステラー』に変わった。素晴らしいことです。2年前に再上映した時は、500万ドルの興行収入を上げた。素晴らしい成功です。すごく報われます。」
さらにノーランは、「監督をやっていて奇妙な点は、プロジェクトに没頭して、執着することです」と続け、観客には何らかの強い反応を示して欲しいとの思いを明かしている。「一番最悪な反応は、“まあ、いい感じですよ。良かったです”と言われた時。そうじゃなくて、何かを感じて欲しい。猛烈に嫌いでもいいし、猛烈に執着するほど好きになってくれてもいいんです」。
同作に小さな役で出演したシャラメは、『インターステラー』について「僕がこれまで出演した中で一番のお気に入りです」と愛を語っている。「人類史上、この映画を一番観ています」。
『インターステラー』にまつわる逸話は多い。劇伴を担当したハンス・ジマーは、撮影映像を提供されないままに重要シーンの作曲を依頼されたという。「こんなふうに曲は書けない、映像が必要だ」と伝えると、ノーランからは「僕たちはタイミングの感覚が同じだと思うから、とにかくやってほしい」と押され、実際に見事に映像にフィットする楽曲が誕生したという。
また、マコノヒー演じるジョセフ・クーパーが、宇宙で子どもたちからのビデオメッセージを観て号泣するシーンはリハーサルなしでいきなり撮影し、ファーストテイクで成立してしまったのだそうだ。
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Source:Variety
































