【ネタバレ】『ジョーカー』ホアキン・フェニックス、ファンの仮説に回答 ─ 「謎があることが素晴らしい」

この記事には、映画『ジョーカー』のネタバレが含まれています。
アーサー・フレックは「ジョーカー」か
電車で出会ったエリートたちを殺害し、自身の出生に隠された秘密に迫るうち、愛していたはずの母親を殺害し、隣人女性との交際が妄想にすぎなかったことを悟る。『ジョーカー』の主人公アーサーは、周囲の人々との関係性や、ひいては社会との繋がりを断っていき、孤独・孤立への道を突き進んでいく。敬愛するコメディアンを生放送中に銃撃したアーサーは、ピエロの仮面をかぶった人々によって炎の上がる街中で象徴として崇められ、一人で踊っていたダンスを静かに踊り始めるのだ。
ところが本作は、アーサーという“信頼できない語り手”を主人公に据えているために、何がどこまで真実なのか、あるいはアーサーの妄想なのかが正確に判断できない作りになっている。共同脚本・監督のトッド・フィリップスは、脚本執筆時に意図していた“真実”をいずれ明かすとしているが、それがいつになるのかは分からない。

そんな中、一部のファンの間で語られているのが、「アーサーはジョーカーではない」との説だ。のちのバットマンである少年ブルース・ウェインとアーサーの年齢に差がありすぎることから、アーサー自身は、コミックファンのよく知る“狂気の犯罪王子”ジョーカーではなく、のちにジョーカーとなる人間を覚醒させた人物ではないかというわけである。おなじみ「ジョーカー」は、たとえばトーマス・ウェイン夫婦を射殺した男など、暴徒と化した人々の中にいたのではないかと。
しかしながら、今回、ホアキンは「僕が思うに、彼(アーサー)こそがジョーカーだと思います」と述べて、この仮説をひとまず否定している。あくまで、ホアキンは“ジョーカーになる男”としてジョーカーを演じたのであり、“のちのジョーカーを生み出すきっかけになった男”を演じたわけではないということだろう。
もちろん、その一方で、ホアキンは異なる解釈を歓迎する立場だ。かねてより「(『ジョーカー』で)面白いのは、みんなが別々の感覚を抱くところ。あるものが何を意味していて、どこが現実でどこがそうでないのか、みなさんが全く違うことを考えるところです」と述べてきたホアキンは、まるで「彼こそがジョーカー」という自身の見解すら、あらゆる解釈のひとつとして受け止めているかのようである。今回、ホアキンは「謎があることが素晴らしいんです」とも言っているのだ。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より全国公開中。
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Source: The Los Angeles Times