『ヴェノム』に続くマーベル映画『クレイヴン・ザ・ハンター』にスパイダーマン登場? ヴィランのオリジン描く物語に ― 脚本家が明かす

米ソニー・ピクチャーズは、映画『ヴェノム』(2018年11月2日公開)に続いて、ジャレッド・レト主演『モービウス(邦題未定、原題:Morbius)』など「スパイダーマン」のキャラクターを主人公とするマーベル映画を多数企画している。
そのうちのひとつ、人気ヴィランのクレイヴン・ザ・ハンターを主人公とする単独映画(タイトル未定)にスパイダーマンが登場する可能性が高まってきた。米DiscussingFilmのポッドキャストにて、脚本家のリチャード・ウェンクが明かしている。
ソニーの「スパイダーマン」関連作品、早くも合流計画か
『ヴェノム』に始まったソニー製作の「スパイダーマン」関連作品は、現状マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは世界観を共有していない。『ヴェノム』のルーベン・フライシャー監督は、同作にスパイダーマンを登場させられないという前提でストーリーを考案したことを明かしつつ、将来的にスパイダーマンとヴェノムの対決を望んでいたのだ。フライシャー監督は『ヴェノム』の制作中、MCUを主導するマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長とは面会していなかったとも述べた。
したがって『モービウス』や『クレイヴン・ザ・ハンター(仮題)』などを含め、当面の間、ソニーはスパイダーマンの登場しない独立した作品群を製作していくものとみられていたのである。
ところが『クレイヴン・ザ・ハンター』の脚本を執筆しているリチャード・ウェンクは、「脚本作業は始まったばかり」だと前置きしてからこのように述べている。
「興味深い世界に、面白いキャラクターですよ。確かに、ソニーのスパイダーマン・ユニバースで仕事をしています。これまで(コミックで)語られてきたクレイヴン・ザ・ハンターの物語にすごく忠実な作品になりますよ。スパイダーマンとも対面することになりますしね。」
クレイヴン・ザ・ハンターは“スパイダーマン狩り”に執念を燃やし、秘薬の力によって驚異的な身体能力と五感を獲得したキャラクターだ。それゆえ映画化の情報が伝えられた際、「スパイダーマン抜きでどんな物語を描くつもりなのか?」という疑問はコミックのファンから呈されていたことも事実である。
しかしソニーが『クレイヴン・ザ・ハンター』あるいはそれ以前にスパイダーマンを登場させられる具体的な仕組みを用意するつもりなのであれば、その心配は無用だろう。もっとも、今後ソニーのスパイダーマン・ユニバースとMCUがクロスオーバーすることになるのか、それともトム・ホランド演じるスパイダーマンとは別人のスパイダーマンが登場するのかという疑問は残るわけだが……。
映画『クレイヴン・ザ・ハンター』はオリジン・ストーリーに
リチャードによれば、2018年10月現在、映画『クレイヴン・ザ・ハンター』はキャラクターのオリジン・ストーリーを描くものとして構想されており、コミック「クレイヴンズ・ラスト・ハント(Kraven’s Last Hunt)」が原案として有力視されているとのこと。映画の前日譚として同作を扱うか、あるいは映画の中で扱うかといった話題や、2部作になる可能性についても議論が重ねられているようだ。
「(クレイヴン・ザ・ハンターの)良いところは、非常に現実的なキャラクターだということ。とんでもないスーパーパワーをたくさん持っているわけではない、もっと地に足の着いた人物で、それは私のやりたいことに合致していますね。」
なおリチャードいわく、「マーベル映画の世界では、脚本を書き始めるまでに越えなければならないハードルが多い」という。映画で描くべき物語や作風を見極めるべく、あらゆる資料を読み込んでは、あらゆる事柄についての検討を重ねているようだ。『イコライザー』シリーズや『マグニフィセント・セブン』(2016)などを執筆してきたリチャードにとっても、マーベル映画の執筆は「新しい世界」なのだとか…。
映画『クレイヴン・ザ・ハンター(仮題)』の撮影・公開時期は未定。なお『ヴェノム』に続く第2弾『モービウス』は2019年早期の撮影開始を目指して企画が進められている。
Sources: DiscussingFilm, Comicbook.com