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X-MEN、ファンタスティック・フォーも!マーベル社長、マーベル・シネマティック・ユニバースへの全キャラクター合流が目標と明かす

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品を製作するマーベル・スタジオは、どうやら観客の想像を超える壮大な計画を有しているらしい。同社のケヴィン・ファイギ社長が、いずれマーベル・コミックの全キャラクターをMCUに合流させることが目標だと明言したのである。

映画界に散らばったマーベル・ヒーローたち

2008年『アイアンマン』から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、マーベル・スタジオが製作する映画作品群だ。最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は第15作目にあたり、すでにユニバースは新しい観客の参加を難しくするほど拡大している。

しかし現状のままだと、どうしてもMCUに登場できないキャラクターが少なくないのもまた事実だ。なぜならコミックを自社で映画化することに本腰を入れる以前、マーベルはスパイダーマンやX-MEN、ファンタスティック・フォーといった人気キャラクターの映画化権を現在のライバル会社に売ってしまったからである。スパイダーマンはソニー・ピクチャーズ、X-MENとファンタスティック・フォーは20世紀フォックス……。すでにマーベル・スタジオが権利を取り戻したものの、デアデビルやアントマン、パニッシャーといったキャラクターも、かつては競合他社の手元に権利があったのだ。

その風向きが変わってきたのは、マーベル・スタジオによって『デアデビル』がドラマ化され、『アントマン』が映画化された2015年頃からだろう。翌2016年には、マーベル・スタジオとソニー・ピクチャーズの業務提携によってスパイダーマンが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に登場、ついにMCU入りを果たすという“事件”が発生した。

これをきっかけに、ファンの間ではキャラクターのクロスオーバーを熱望する声が続出。『アベンジャーズ』と『X-MEN』のクロスオーバーはできないのか、『デッドプール』はどうだ、『ファンタスティック・フォー』は……と、さまざまな声がスタジオには寄せられているようだ。しかし2016年11月には、ファイギ社長自らが「現時点では不可能」と断言している。

ところがここにきて、ファイギ社長は突然「全キャラの合流」に強気の姿勢を見せはじめた。

全キャラクターのクロスオーバーを目指して

今回の発言が飛び出したのは、パーセプション社のジェレミー・ラスキー氏が、自社ウェブサイトのコンテンツとして掲載したファイギ社長への音声インタビューだ。パーセプション社は『アベンジャーズ』『シビル・ウォー』をはじめとした作品で劇中に登場するインターフェースなどのデザインを担当したほか、『ドクター・ストレンジ』からリニューアルされたマーベル・スタジオの新ロゴ映像も製作している。

そのインタビューの最後に、ラスキー氏は「すべてのマーベル・キャラクターを自社スタジオに取り戻すことはないんですか?」という旨の質問をファイギ社長にぶつけていた。ファイギ社長はこう答えている。

「僕の目標は、コミックのファンが読んでいる体験をスクリーンに再現することだ。これまでの10年で、われわれは僕自身の途方もない夢すら超えたところに到達している。実際、『シビル・ウォー』にスパイダーマンを出すことや、次回作の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』はまた別の夢だったんだ。実現の見込みがほとんどなかったから、あえて公には言わなかったんだけどね。だからMCUに登場できないままになっているいくつかのキャラクターについて、計画はないけど、でも“絶対にない”とは言わないよ。未来に起こりうることを誰が知ってるんだい?」

ファイギ社長が言っている「コミックのファンが読んでいる体験」とは、マーベル・キャラクターが何の障壁もなく共演し、共闘し、時には対立するストーリーのことだろう。ところが現在、マーベル・コミックを原作とする映画は“コミックなら普通に実現することも実現できない”という限界を常に抱えている。

それにしてもファイギ社長は、このところクロスオーバーにかなり前向きな発言を繰り返している。さまざまな事情で難しいといわれる映画とテレビのクロスオーバーも「いつかやる」と明言しているし、今回に関しては、一度「不可能」と言い切ったものをひっくり返すような内容だ。社長本人は「計画はない」と話しているが、もしかして水面下ではスタジオ間で何かしらの動きがあるのではないか……。

そういえばマーベル・スタジオと20世紀フォックスは、『デッドプール』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』では登場キャラクターの交換を行っていた。これがなければカート・ラッセル扮するエゴは『リミックス』に登場できなかった(!)わけだが、こんなイレギュラーが起こりうるのであれば、クロスオーバーの可能性も今後広がっていくことだろう。それにマーベル・スタジオが前向きになってくれれば、全キャラクターのクロスオーバーもいずれ実現するはずだ。

Source: http://experienceperception.com/marvel-studios-rebrand.html
http://screenrant.com/kevin-feige-mcu-x-men-fantastic-four/
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/dp/4796875514/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。