『マーベルズ』興行不振の要因は「現場の管轄不足」、ディズニーCEOが認める

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『マーベルズ』は、世界累計興行収入が10億ドルを突破した『キャプテン・マーベル』(2019)の続編として製作されたものの、パフォーマンスは大きく下落し、MCU史上ワーストのオープニング成績を記録した。
これには、ヒーロー映画の供給過多による「スーパーヒーロー疲れ(Superhero Fatigue)」や俳優ストライキによるプロモーションの不実施といった要因が挙げられている。しかし、ディズニーCEOのボブ・アイガーは、そのどれでもない別の要因を見ているようだ。
このたび各界のビジネスリーダーが集うサミットDealBook Summitに登壇したアイガーは、『マーベルズ』について言及。現場をレポートした米The Vergeは「ボブ・アイガーは『マーベルズ』が興行収入成績で失敗した理由を知っている」と綴った上で、同氏の発言をこう伝えている。「『マーベルズ』はコロナ禍で撮影されました。現場では(幹部たちによる)管轄が十分に行き届いていなかったのです」。
製作現場の管轄不足は以前から報じられていたもの。2023年3月にはVFXを含むポストプロダクション(撮影後作業)を統括していたスタジオ幹部のヴィクトリア・アロンソが解雇されたことが話題となったが、この決断はVFXに起因する作品の低評価に激怒したアイガーらディズニーの首脳陣によるものだったとも伝えられている。なお過去には、マーベル・スタジオでの過酷なVFX製作環境が内部のスタッフにより告発されていた。
今回アイガーは、最優先の課題として作品のクオリティを向上させる意向を見せながら、コンテンツの供給過多を「決定的な誤りだった」と断言。興行成績における不調が、マーベル作品にとどまらずディズニー全体として抱える問題であることも踏まえ、ストリーミング時代において「もっと現実的になる必要がある」と述べたという。
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Source:The Verge