【ネタバレ】『マーベルズ』おまけシーン解説 ─ MCUゆるがす衝撃展開

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『マーベルズ』ついにX-MEN本格登場
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『マーベルズ』で、キャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース(ブリー・ラーソン)、ミズ・マーベル/カマラ・カーン(イマン・ヴェラーニ)、モニカ・ランボー(テヨナ・パリス)の新チーム“マーベルズ”はダー・ベン(ゾウイ・アシュトン)との戦いに挑む。ダー・ベンはカマラから量子バングルを奪い、両腕に装着して力を解放。その衝撃に耐えられずダー・ベンは消滅し、宇宙には時空の穴が開いてしまう。
キャプテン・マーベルとミズ・マーベルの力を受けて覚醒したモニカ・ランボーはこれを塞ぐべく向かうが、モニカはそのまま向こう側の別世界に留まる選択をする。
エンドロールの途中に挿入されたおまけシーン(ミッドクレジットシーン)で、モニカが目覚めると特別病室のような場所にいる。隣で仮眠をとっているのは、モニカの母であるマリア・ランボーだ。サノスの“指パッチン”で消えた5年の間に生き別れており、モニカは思わぬ再会に言葉を詰まらせる。
しかし、マリアは妙に他人行儀だ。どうやらこのマリア、モニカが知る母ではないらしい。そこに白衣を着た人物が入室してくる。青い肌をした獣のような男、『X-MEN』のビーストである。
すでにビーストは、モニカがどういうわけか異世界からやってきた存在であるとの仮説を立てており、チャールズ(・エグゼビア、プロフェッサーX)にも共有すると言って去っていく。その背景には、「X」のマークがあしらわれた円形の扉がある。この世界にはX-MENが存在すると見て間違いない。マリアも未知のコスチュームを着用しており、何らかのヒーロー、あるいはエージェントとして活動しているようだ。
このシーンでは、『X-MEN2』(2003)、『X-MEN:フューチャー&パスト』の楽曲が再起用されていることがエンドクレジットで確認できる。いよいよX-MENユニバースがMCUに合流だ。
今後、モニカはプロフェッサーXと面会し、それぞれの世界の出来事を共有していくのだろう。この世界には、X-MENの他にアベンジャーズなどのスーパーヒーローは存在するのだろうか。モニカはどのようにして帰還するのだろうか。そこにX-MENはどう関与するのだろうか。
本作『マーベルズ』の米プレミアイベントでは、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長がX-MENの実現について「もうすぐですよ、おそらく」と話していたが、まさにこのことを言っていたわけである。初のMCU版『X-MEN』実写映画は脚本家ミーティングが開始されたところ。監督などについてや公開予定はまだ伝えられていない。
なお、このシーンでのビースト役は、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006)と『X-MEN:フューチャー&パスト』のケルシー・グラマーが続投。つまり、他のメンバーについても旧20世紀フォックスのキャストが再起用される可能性が開かれたということだ。
一方で、マーベル・ファンはMCUでの『X-MEN』匂わせについてこれまで何度も肩透かしを食らっており、訓練されている。最後に復習を兼ねて、MCU作品の中でこれまで『X-MEN』の匂わせが行われた描写や設定をまとめた。
マーベル・シネマティック・ユニバース これまでの『X-MEN』匂わせ まとめ
「ワンダヴィジョン」
ドラマ「ワンダヴィジョン」第5話では、旧20世紀フォックス『X-MEN』シリーズでクイックシルバーことピエトロ・マキシモフを演じたエヴァン・ピーターズが登場。しかし、この人物はラルフ・ボーナーという名のウエストビューの一般人であったことが後のエピソードで明らかになる。
「ミズ・マーベル」
ドラマ「ミズ・マーベル」最終話である第6話『ノーノーマル』では、主人公カマラ・カーンが遺伝子構成の調査結果、「突然変異」を経ていることが明らかになる。そのシーンでは『X-MEN』テーマ曲が流れ、彼女がミュータントであることが示唆される。
MCUの正史世界(アース616)に比べて、『マーベルズ』のラストでモニカが迷い込んだ別世界の方が、ミュータントに関する研究や理解もずっと進んでいるはずだ。この別世界とカマラがいかに交錯するかが今後のポイント。
「シー・ハルク:ザ・アトーニー」
ドラマ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第2話『超人の訴訟』では、ジェニファー・ウォルターズが閲覧していたネット記事の画面に「バーの乱闘で男が金属の爪で格闘(Man fights with metal claws in bar brawl)」との見出しが混じっており、ウルヴァリン/ローガンの存在を仄めかしている。
ちなみに第5話『ノリノリ、緑、デニムの着こなしバッチリ』のエンドロールでは、『X-MEN』のヒーローデザインを模したスニーカーが描かれているが、こちらはスタッフの遊び心によるものの可能性が高い。
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』に登場したヴィランのネイモアは、同世界史上「初めてのミュータント」である。さらに、ネイモアの玉座の装飾にはアダマンチウム(ウルヴァリンの骨格である、ヴィブラニウム級の超硬度金属)が使用されているとの設定資料も存在。
また、ヴィブラニウムを執拗に狙う西側諸国が、ワカンダやタロカンに阻まれたことで断念し、今後は狙いをアダマンチウム開発に切り替えるのではないかという可能性も考察することができる。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』劇中で、ドクター・ストレンジがたどり着いた異世界(アース838)のヒーロー組織「イルミナティ」のリーダーとしてチャールズ・エグゼビアが登場。『LOGAN/ローガン』(2017)をもって同役を卒業したとされたパトリック・スチュワートがサプライズ再演を果たした。
劇中ではスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフを救うべく精神世界に入り込んだが、首を捻られて絶命してしまう。
なお、『マーベルズ』のラストシーンでは「ヤング・アベンジャーズ」発足に向けた重要な描写がなされた。詳しい解説はこちらから。
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