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マーベル・スタジオ、ゲイのヒーローも「世界に受け入れられる」と宣言 ─ 『エターナルズ』の噂に反応、多様性への信念語る

初の女性ヒーロー映画『キャプテン・マーベル』、そして11年間を締めくくる『アベンジャーズ/エンドゲーム』の登場。いま、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は『アイアンマン』(2008)で幕を開けて以来の変革期にある。

2019年3月8日現在、『エンドゲーム』後の作品ラインナップは不明だが、以前からマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、とある計画の存在を明らかにしていた。それは、セクシャル・マイノリティ(LGBTQ)のキャラクターを登場させることである。

このたび『キャプテン・マーベル』のプレミア・イベントにて、同作のプロデューサーを務めたヴィクトリア・アロンソ氏は、セクシャル・マイノリティのヒーローについて「世界には(受け入れる)準備があると思います。準備はできていますよ」と述べた。

『エターナルズ』にまつわる「噂」

ヴィクトリア氏が今回の発言に及んだ背景には、米That Hashtag Showが伝えた“噂”がある。『エンドゲーム』後の新章を切り拓くといわれる新作映画『エターナルズ(邦題未定、原題:Eternals)』の主人公がゲイの男性になる、すでにスタジオはゲイの俳優をキャスティングすべく動き出している、というのだ。

『キャプテン・マーベル』のレッドカーペットにて、米Varietyは噂の真偽を確かめるべくヴィクトリア氏に直撃。残念ながらヴィクトリア氏が噂を認めることはなかったが、「『エターナルズ』ではできるかぎり最高のキャスティングをするつもりですし、準備ができたら発表するとお約束します」と言い切った。スタジオによる正式発表はなされていないものの、ケヴィン社長は『エターナルズ』のストーリーについて構想を語ってもおり、すでに企画がある程度進んでいることは間違いないとみられる。

ここでインタビュアーは、「どうしてマーベルは多様性への取り組みに力を入れているんですか?」と質問。たしかに『ブラックパンサー』(2018)をはじめ、MCUに登場するキャラクターの幅はここ数年で一気に広がった印象だ。ヴィクトリア氏は「そうしない理由がないでしょう」と述べ、すべては観客に向けたものなのだという意思を強調した。

「私自身、このことには大きな熱意を持っているとお伝えしなければなりません。私たちの成功は、本当にさまざまな人々によって支えられています。それなのに、どうして多様性に取り組まずにいられるのかということですよ。一種類の人間にだけ受け入れられている必要性がありますか? 観客は世界中に存在して、それぞれが異なっていて、いろんな人がいる。彼らに合った形で映画を作らなければ、私たちは失敗することになります。多様性や包括性に一生懸命取り組まなければ、私たちが成功しつづけることはありません。映画を観てくださるすべての人々のために、という決意です。」

『エターナルズ』をめぐる噂の真相は不明だが、ヴィクトリア氏の言葉を聞くかぎり、そしてケヴィン社長の宣言を思い返すかぎり、セクシャル・マイノリティのヒーローが主役として登場する日はそう遠くないだろう。ちなみにMCUにおいては、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のヴァルキリーにバイセクシャルという設定が与えられていた。同作でその設定が明示されることはなかったが、いずれこの設定が前景化してくる可能性もある。

今回のヴィクトリア氏の発言については、「あくまで観客のため」という姿勢が物議を醸すことも考えられる。それはあくまでビジネス的な発想にすぎず、ポリティカル・コレクトネスに本当の意味で貢献するものではないのではないか、という批判もありうるためだ。しかしながら映画なるものは――特にハリウッドの大作映画というものは――きわめて高度な商業性と芸術性、社会性が混じりあったものであり、どれかひとつだけを取りあげることもできなければ、たとえば商業性が作品の芸術性に対してプラスに働きかけるようなこともある。ビジネス的な判断がストーリーやキャラクターの多様化につながり、優れたストーリーや作品となって人々に訴えかけることに結実するとしたら、それは一概に断じられるべきものではないだろう。

Sources: Variety, THS

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条として、海外の映画・ドラマを中心に執筆しています。日本国内の映画やアニメーションも大好きです。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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