2020年は女性主人公作品に注目 ─ 米調査、『ワンダーウーマン 1984』『ブラック・ウィドウ』が期待トップに

米劇場チケット販売大手Fandangoが、独自の調査による2020年の米観客期待作を発表した。米国の映画ファンによる「最も期待する映画」10作リストを中心としたこの調査結果からは、映画界、しいては社会全体の関心を見取ることができる。
最も期待する映画
- 『ワンダーウーマン 1984』(2020年6月5日 米公開/6月 日本公開)
- 『ブラック・ウィドウ』(2020年5月1日 日米同時公開)
- マーベル『The Eternals(原題)』(2020年11月6日 米公開)
- 『ムーラン』(2020年3月27日 米公開/4月17日 日本公開)
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2020年4月8日 米公開/4月10日 日本公開)
- 『クワイエット・プレイス PARTII』(2020年3月20日 米公開/5月 日本公開)
- 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020年2月7日 米公開/3月20日 日本公開)
- 『イン・ザ・ハイツ』(2020年6月 米公開/夏 日本公開)
- ピクサー『Soul(原題)』(2020年6月19日 米公開)
- ワイルド・スピード『Fast & Furious 9(原題)』(2020年5月22日 米公開予定)
「最も期待する映画」では、その半数が女性主人公の作品であることが特徴だ。DC映画『ワンダーウーマン 1984』、マーベル映画『ブラック・ウィドウ』は、共に女性ヒーローのアメコミ原作作品として2トップ。特に『ワンダーウーマン 1984』は、2017年公開の前作がアメコミ史上初の女性監督(パティ・ジェンキンス)が手掛けたこと、および女性主人公のアクション映画として初週・累計ともに歴代1位となったことで、明らかに時代を切り開いた作品の続編として注目が集まる。監督はパティ・ジェンキンスが続投。また、『ブラック・ウィドウ』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』も女性監督が手掛ける。

『ムーラン』は1998年のディズニー長編アニメの実写化で、古代中国を舞台とした男装の戦士を描く。音に反応する謎の怪物から我が子を守って戦ったホラー作の続編『クワイエット・プレイス』でも、エミリー・ブラント演じる母イヴリンが引き続き登場。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は、日常的・無意識的な女性差別をモチーフのひとつとする。

『The Eternals』はマーベル・シネマティック・ユニバース最古のヒーロー・チームを描く作品になる見込みで、キャラクターにはセクシャル・マイノリティや聴覚障害など多様な価値観が投影される。2020年期待される映画の多くにて、大手スタジオ作品が現代の社会的側面を積極的に取り入れえようとする姿勢は注目しておくべきだろう。
あわせて最も期待する「女優」「俳優」「ヴィラン」「ファミリー映画」「ホラー映画」「実写コメディ」も発表されている。「女優」「俳優」「ヴィラン」ではいずれも『ワンダーウーマン 1984』がトップ。同作の米国における関心の高さを物語っている。
最も期待する女優
- ガル・ガドット 『ワンダーウーマン 1984』
- スカーレット・ヨハンソン 『ブラック・ウィドウ』
- エミリー・ブラント 『クワイエット・プレイス PARTII』『ジャングル・クルーズ』
- マーゴット・ロビー 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
- ゼンデイヤ 『Dune(原題)』
最も期待する俳優
- クリス・パイン 『ワンダーウーマン 1984』
- ポール・ラッド 『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
- ライアン・レイノルズ 『Free Guy(原題)』
- ダニエル・クレイグ 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
- ロバート・ダウニー・Jr. 『ドクター・ドリトル』
最も期待するヴィラン
- クリステン・ウィグ / チーター『ワンダーウーマン 1984』
- ラミ・マレック / サフィン 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
- ユアン・マクレガー / ブラック・マスク 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
- ジム・キャリー / ドクター・エッグマン 『ソニック・ザ・ムービー』
- シャーリーズ・セロン / サイファー 『Fast & Furious 9(原題)』
最も期待するファミリー映画
- 『ムーラン』
- ピクサー『Soul(原題)』
- 『ソニック・ザ・ムービー』
- 『ドクター・ドリトル』
- 『ジャングル・クルーズ』
最も期待するホラー映画
- 『クワイエット・プレイス PARTII』
- 『Halloween Kills(原題)』 ※『ハロウィン』続編
- 『The Invisible Man(原題)』 ※『透明人間』リブート版
- 『The Conjuring: The Devil Made Me Do It(原題)』※死霊館シリーズ最新作
- 『The Grudge(原題)』 ※ハリウッド版『呪怨』最新作
最も期待する実写コメディ
- 『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
- 『Bill & Ted Face the Music(原題)』
- 『バッドボーイズ フォー・ライフ』
- 『Legally Blonde 3(原題) ※『キューティ・ブロンド』最新作
- 『The Lovebirds(原題)』
Source:Los Angeles Times