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MCU『スパイダーマン』先生は『インクレディブル・ハルク』ピザ男と同一人物なのか? ─ ケヴィン・ファイギの主張に俳優が疑問

マーティン・スター
Photo by David Shankbone https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Martin_Starr_2011_Shankbone.JPG Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)には、長年にわたるフランチャイズだからこそのイースターエッグがある。そのうちのひとつは、思いがけない“同一人物設定”だ。

トム・ホランド主演『スパイダーマン』シリーズに登場した学力コンテストの先生ロジャー・ハリントンは、かつて『インクレディブル・ハルク』(2008)に姿を見せた“ピザ男”と同一人物である──このことは、ふたつの役柄を俳優マーティン・スターがともに演じていることから、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが2019年に主張したものだ。

ハリントン先生は『スパイダーマン:ホームカミング』(2016)や『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)でとりわけ印象的に登場したが、『インクレディブル・ハルク』の“ピザ男”とは、ブルース・バナーがハルクの実験データを探るため、ピザ屋の配達員を装って研究室に潜入するシーンに姿を見せた長髪の学生のことである。

WIREDの一問一答企画に、「タルサ・キング」で共演しているシルベスター・スタローンとともに登場したスターは、「2つの役柄はつながっているとケヴィン・ファイギが言っていたんですが、僕にはどう繋がっているのかわからない」と笑った。「MCUの世界観全体に対する彼の見方を尊重するので、異論は唱えません。とにかく僕は『ハルク』でピザ男、『スパイダーマン』でハリントン先生を演じました」

スタローンが「すごい振れ幅だね」とコメントすると、スターは「いい経験でした」とひとこと。MCU版『スパイダーマン』シリーズの第4作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は現在撮影中だが、過去作とは描かれる局面が大きく変わるとみられるため、ハリントン先生が再登場するかはわからない。

MCUでは同じ俳優が異なる作品で複数の役柄を演じるケースがしばしばあり、もっとも大きな役どころを演じたのは『エターナルズ』(2021)と『キャプテン・マーベル』(2019)に出演したジェンマ・チャン。かたや実写出演、かたや声の出演という形であれば、より多くの俳優陣が異なる役柄を演じている。

ただし、“同一人物設定”があとから付けられた(しかも本編では言及されていない)のはハリントン先生のみ。過去には『スパイダーマン:ホームカミング』のモリタ校長が、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)でスティーブ・ロジャースと共闘した兵士ジム・モリタの孫だという設定が与えられていた(演じたのはともにケネス・チョイ)が、これも数少ない例である。

ところで、同じ俳優が複数の役柄を演じるといえば、アイアンマン/トニー・スタークを演じてきたロバート・ダウニー・Jr.が、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』でドクター・ドゥーム役を演じるのが最も新しいケースとなる。こちらは言わずもがな、アイアンマン役が前提のキャスティングとみられるが、物語上でアイアンマンとドクター・ドゥームにつながりはあるのかどうか。

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Source: WIRED

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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