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クリストファー・ノーラン、スーパーヒーロー映画復帰の意欲なし ─ 『ダークナイト』3部作から11年

クリストファー・ノーラン
HellaCinema https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DunkirkFilmGearPatrolLeadFull.jpg

『ダークナイト』3部作で知られる映画監督クリストファー・ノーランに、もはやスーパーヒーロー映画を撮るつもりはないらしい。最新作『オッペンハイマー(原題)』の公開を控え、仏HugoDécrypteの取材にて明かした。

『メメント』(2000)『インソムニア』(2002)で注目を浴びたノーランにとって、『バットマン ビギンズ』(2005)は大きな転機だった。続編『ダークナイト』(2008)はノーランのキャリアを、ひいてはスーパーヒーロー映画の歴史を変えた一作。しかし『ダークナイト ライジング』(2012)で3部作を完結させた後、彼はスーパーヒーロー映画を離れ、オリジナル脚本にこだわり続けている。

このたび、「バットマンを経て、新しいスーパーヒーロー映画を撮りたいという思いはありますか?」と尋ねられたノーランは「ノー」と回答。一問一答形式のインタビューゆえ、それ以上の詳細は語られていないが、「それでは『スター・ウォーズ』は?」との質問に「パス」と答えているあたり、スーパーヒーロー映画に戻らない意志は固いのかもしれない。

ノーランのもとでバットマン/ブルース・ウェイン役を演じたクリスチャン・ベールは、マーベル映画『ソー:ラブ&サンダー』(2022)で久々のスーパーヒーロー映画復帰を果たした。当時、バットマン役の再演について「もし、ノーランが“もう一つ、やりたい物語があるんだ”とでも言うのなら[中略]その物語を僕とやりたいと言うのなら、僕はやりますよ」と話していたが、現状その可能性は限りなく低そうだ。そもそもノーランは、バットマン映画を手がけるワーナー・ブラザースとのタッグを解消したばかりなのである。

現在、ノーランはこれからも物語を紡ぎ続けていく意向を示している。米Cinema Blendでは「映画でストーリーを語ることには中毒性があるんです。大変な仕事ばかりだけど、本当に楽しい。作らずにいられないという感じで、自発的にやめるなんてちょっと想像できない」と語ったのだ。

いまやノーランといえば、ジャンルにかかわらず、彼が描くものに人々の関心が集まるという稀有なフィルムメーカーである。『ダークナイト』3部作の完結から11年、自身初の伝記映画である『オッペンハイマー』を経て、彼の興味関心はこれからどこへ向かっていくのか。

Source: HugoDécrypte, Cinema Blend

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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