『パラサイト 半地下の家族』HBOドラマ版情報まとめ ─ 父親役候補はマーク・ラファロ、ポン・ジュノ監督が構想明かす

『スノーピアサー』(2013)『okja/オクジャ』(2017)などで知られるポン・ジュノ監督が手がけた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。早くもアメリカのエンタメ業界がドラマ化の可能性に目をつけ、1シーズン限りのリミテッド・シリーズ企画が進行している。製作は、「ゲーム・オブ・スローンズ」「チェルノブイリ」の米HBO。ポン・ジュノ監督も製作総指揮として携わる、これまた注目の1作だ。
初報が伝えられたのは、映画版が第92回(2020年)アカデミー賞で4冠を成し遂げる前となる2020年1月のこと。ポン・ジュノ監督と共に製作を務めるフィルムメーカーとして、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)『バイス』(2018)のアダム・マッケイ監督の契約交渉も伝えられた。
現在の企画の進捗は定かでないが、第1報以降も、主演を務める役者やポン監督の考える構想など、ドラマ版に関する情報がたびたび伝えられている。本記事では、現時点までに分かっている『パラサイト』ドラマ版企画を総おさらいしよう。
一家の父親役候補は『アベンジャーズ』マーク・ラファロ「脚本を待っている」
初報が伝えられて間もない2020年2月、さっそくメインキャストの1人を演じる役者の候補が挙げられた。『アベンジャーズ』シリーズのハルク/ブルース・バナー役などで知られ、『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた実力派俳優マーク・ラファロだ。この時点で、ラファロのキャスティングは「正式ではない」と伝えられていたものの、すでにポン監督とラファロ、双方が興味を示していることが確認されていた。
以降、ラファロの出演は噂に留まっていたが、いよいよ3月にラファロ本人が『パラサイト』ドラマ化企画に言及。報道を「事実」とし、出演に前向きであることを明かした。映画版でソン・ガンホが扮した一家の父親キム・ギテクにあたる役柄を演じる可能性があるという。また、ラファロは「脚本を待っている状況」であることも明かしている。それから約10ヶ月が経過した現在、ラファロの元に脚本が届いたのかは不明だ。
ドラマ版は映画の拡大版に
冒頭で記した通り、ドラマ版は1シーズン限りのリミテッド・シリーズ企画として製作される。全5~6話構成になるといい、ポン監督が映画版に収められなかったアイデアに基づく「6時間の映画」として構想されているとのことだ。
2020年1月の企画発表時には、ポン監督が「ドラマ版を映画の拡大版として検討している」ことを明言。3時間の劇場版と5時間のテレビドラマ版の2パターンで製作されているスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督の『ファニーとアレクサンデル』(1982)を例示した上で、「ドラマ版での目標は、高いクオリティの『パラサイト』拡大版を作ることです」と語っている。
これまでに伝えられた情報だけで、大きな期待が懸けられているであろうドラマ版「パラサイト」。「半地下の家族」という韓国ならではの題材を西洋の文化で置き換えた時に、物語はどう進むのか。ラファロ以外のメインキャストが誰になるのかも気になるところだ。公開時期などを含めて、明らかになっていない情報もまだまだ多いが、今後発表されるであろう1つ1つのニュースを楽しみに、首を長くして待とう。
▼ 『パラサイト 半地下の家族』の記事
Source: Variety