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【インタビュー】『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』テーマは「過去と秘密」─ PS5未所持の監督「『ヴィレッジ』をプレイしたい」

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ

『バイオハザード』ゲームシリーズの原点を描く新たな映画、『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』が間もなく日本に上陸する。

オリジナルゲームを忠実に映画化した本作の舞台は、アンブレラ社の拠点がある街、ラクーンシティ。T-ウィルスによりラクーンシティが爆心地と化し、クレア&クリス・レッドフィールドらがアンブレラ社の秘密の人体実験に迫っていく。ふたりのほかには、ジル・バレンタインやアルバート・ウェスカー、レオン・S・ケネディらゲームのメインキャラクターたちのほか、あのリサ・トレヴァーまでが登場する。一体、どんな戦慄の物語が待ち構えているのか……。

監督を務めたのは、『海底47m』シリーズなどのヨハネス・ロバーツ。この度、THE RIVERはロバーツのグローバルジャケットに参加する機会に恵まれた。25年以上に渡りゲームシリーズのファンだというロバーツ。果たして、どんな想いで映像化に挑戦したのだろうか?

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『バイオハザード』との出会い

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ
Screen Gems RESIDENT EVIL WELCOME TO RACCOON CITY

──映画本編を観て、ゲームに対する監督の深い愛情が伝わってきました。『バイオハザード』ゲームシリーズとの出会いや印象的な思い出などがあれば教えてください。

『バイオハザード』と出会った頃は、ホラーが苦手な時期だったんです。1990年代、僕のヒーローであるスティーヴン・キングやジョン・カーペンターは、この世界に居場所を見つけられずにいました。ホラーはカメラにウインクするような、悲鳴を上げるだけの作品に変わっていて。そんな時代に、ロメロやゾンビホラーといった僕が愛してやまないものから生まれたのが、このゲームだったわけです。ロメロは当時、ほとんど仕事をしていませんでしたし、人気を失いつつありました。僕と同じように、ホラーを心から愛する人たちがいることを知って、本当に嬉しかったことをよく覚えています。

──監督が求めていた、ホラーへの要素が詰まっていたわけですね。

映画のような感覚として、このゲームに入り込みました。このゲームを他の人が遊んでいるのを見ていたのです。みんなプレイしていて、本当に怖がっていたのですが、基になっている映画のことはよく知りませんでした。ただ、この愛がどこから来ているのかを僕は理解していました。こうして作品と出会い、僕を構成する要素のひとつとしていまなお存在しつづけています。それというのも、その頃から僕は映画監督になりはじめたのですが、このシリーズはまさに同時期に生まれたものなのです。だから、僕たちは一緒に成長していきたんです。

ゲームと映画の差別化

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ
(L to R) Tom Hopper, Chad Rook, Hannah John-Kamen, Robbie Amell in Screen Gems RESIDENT EVIL WELCOME TO RACCOON CITY

──ゲームの精神や世界観を忠実に再現すると同時に、映画として成立させることは難しかったのではないでしょうか?

あなたのおっしゃる通りで、イースターエッグやロングカットシーンを駆使することは、5分くらいは楽しいのですが、その後は空しくなってしまうので、非常に難しいところです。そこで、すべてのキャラクターが感情を持ち、それぞれに伝えたい物語がある人物に仕上げることにしました。ユーモアがあり、リアルな感情や決断力があると感じられるように。

ご存知の通り僕は熱狂的なゲームファンなので、イースターエッグを入れていく作業自体は楽しかったです。ただ、コスプレ体験にならないようにすることが重要で、このバランスを保つことが何より難しかったです。観客は、ゲームを求めているようで、ゲームを求めているわけではありませんから。何か新鮮なものを提供しなければなりません。また映画化する上で、ゲームを参照していたのですが、それらがストーリーテリングを支配してしまわないように心がけました。

──ファンを喜ばせることは一筋縄ではいかないわけですね。

どこで、いつ、どんなふうにゲームをプレイしていたのか。それぞれの時代背景があり、それぞれのイメージがあるので、ファンを喜ばせることには常に不安を抱いています。全ての人を満足させることは難しいでしょう。そこで、『バイオハザード』シリーズに25年にわたり情熱を注いできた者として、ファンである僕自身が映画を通して観たいものを描くことこそが最も正直な方法であると考えたわけです。僕の情熱が他の人たちにも届くことを祈っています。

クリスの今後、秘密と過去のテーマ

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ
Robbie Amell and Kaya Scodelario in Screen Gems Resident Evil Welcome to Raccoon City.

──ゲームシリーズのメインキャラクターであるクリス・レッドフィールドは、作品を通して様々な苦難を乗り越えてきました。まだまだ映画を通して掘り下げられる要素はたくさん存在するでしょう。クリスとしてキャスティングされたロビー・アメルもまた、『バイオハザード ヴィレッジ』でのクリスをいつか演じてみたいと話されていましたが、監督としてはいかがでしょうか?

ここにいるプレス関係者の皆さんの力を結集して、僕を助けてほしいと思っていることがあります。正直に言いますと、『バイオハザード ヴィレッジ』はまだプレイしていません。PlayStation 4は持っているのですが、PlayStation 5でプレイしたくて。どうしても手に入らないのです。だから、これを公言することで、“PlayStation 5を監督ために手配しよう”と誰かが動いてくれることを期待しています。やりたくてたまらないのですが、PlayStation 5が手に入るまでは、プレイするつもりはありません。何にせよ、クリスにはまだ掘り下げられることがたくさんありますし、それをロビーと一緒に探求したいと思っています。

──最も難しい質問かもしれませんが、本作のテーマはなんでしょうか?

たしかに難しい質問ですね。過去を葬ることはできませんし、葬ろうとも蘇るといったところでしょうか。クレア・レッドフィールドやリサ・トレヴァーなど、キャラクターたちはそれぞれ異なる過去に取り憑かれています。さらにいうと本作は秘密を抱えた町、その秘密を人々が解き明かし、そして過去と向き合っていく物語となっています。

映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』は、2022年1月28日(金)全国ロードショー。

Writer

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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