『ローグ・ワン』はスター・ウォーズ史上最もリアルな作品に!ヴィランは元労働者階級、監督は苦悩の告白
映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の公開までおよそ1ヶ月半。先日新たな予告編も公開されたものの、『ローグ・ワン』がどんなテイストの作品になるのかはまだ予想がつかない。『スター・ウォーズ』らしからぬリアルな戦争映画になるという説もあれば、過去作品のテイストに近いという噂もある。
しかしここにきて、反乱軍の司令官キャシアン・アンドア役のディエゴ・ルナやギャレス・エドワーズ監督が、やはり『ローグ・ワン』がリアル・トーンの映画であることを示唆し始めた。
「シリーズ史上最もリアル」
ヴァニティ・フェア・メキシコ誌のインタビューに登場したディエゴ・ルナは、『ローグ・ワン』と自身の役柄についてこう話している。
「僕は自分のキャラクターを、より自然に、より現実的に作りたかった。みんなはこの映画にファンタジーらしさを期待するけど、実際はまるで逆だよ。深みのあるリアルなストーリーさ。これまでの『スター・ウォーズ』作品の中でも、『ローグ・ワン』はもっともリアルな、人間についての映画だと思う。キャラクターは僕たちにとても近い、力を持たないヒーローたちなんだ。彼らが持っているのは、信念と、現実を変えたいという願いだよ」
https://theriver.jp/diego-luna/
『ローグ・ワン』はヴィランも人間くさい?
ルナは自らの演じるアンドアを、あくまでリアルなキャラクターとして捉えているようだ。しかし、『ローグ・ワン』では悪役(ヴィラン)もその例外ではなさそうである。
ギャレス・エドワーズ監督は、ダース・ベイダーとともに暗躍する帝国軍の総督オーソン・クレニックについて、「元労働者階級というアイデアが気に入った」と語っている。クレニックはその「人格と知識」で総督にまでのし上がった人物だというのだ。
しかしクレニックの前に立ちはだかったのは、『エピソード4』でピーター・カッシングが演じたデス・スターの指揮官、グランド・モフ・ウィルハフ・ターキンだった。エドワーズ監督は、クレニックが「絶望的なヒエラルキーの壁にぶち当たり、クレニックかターキンか、それとも別の人物かという状況に立たされる」と述べている。
こうしたクレニックの設定は『ローグ・ワン』の劇中で語られるのか、あくまで裏設定にすぎないのかは不明だが、きっと監督はクレニックを“人間らしい”ヴィランとして描こうと考えたはずだ。そんな彼がダース・ベイダーを出し抜こうと企むのだとすれば……すでに哀しみのにじむ展開になる予感がする。
リアルさと『スター・ウォーズ』の狭間で
しかし以前から、『ローグ・ワン』は『エピソード4/新たなる希望』の10分前までの物語だといわれていた。『ローグ・ワン』がリアル・タッチの戦争映画だとしたら、従来の『スター・ウォーズ』にはやや噛み合わない気もする。実際に大規模な再撮影が判明した際には、その理由が『ローグ・ワン』と過去作品のトーンを合わせるためではないかとも予想されていた。
エドワーズ監督は、この「エピソード4の直前で終わる」という縛りに苦しめられたことを明かしている。
「(映画監督の)みんながたいてい苦労するのは、“映画をどうやって終わらせるか”ってことだ。でも僕たちの場合、映画がどう終わるのかは分かっていた。問題は“そこからどう逆算するか、どこから始めるのか”だったよ。与えられた選択肢はすべて使って、パズルを解くみたいに最高の結果を求めたんだ」
このコメントを聞くかぎり、きっと製作陣は「リアル」と「スター・ウォーズらしさ」のバランスを見つけることができたのではないだろうか。もしかすると、その実現には膨大な再撮影が欠かせなかったのかもしれない。
映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は2015年12月16日公開。
sources: http://www.ew.com/article/2016/10/27/rogue-one-star-wars-felicity-jones-photo
http://www.starwarsnewsnet.com/2016/10/diego-luna-rogue-one-is-told-through-the-eyes-of-jyn-erso-the-movies-promotion-will-start-from-mexico.html
http://www.usatoday.com/story/life/movies/2016/10/25/sneak-peek-rogue-one-star-wars-darth-vader-empire/92688926/
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