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『ワイルド・スピード SKY MISSION』ポールに捧げたラストシーン、ドム役ヴィン・ディーゼルの想いとは

『ワイルド・スピード SKY MISSION』より©Universal Pictures

2015年に公開された『ワイルド・スピード』シリーズ第7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION』は、制作陣や出演者、そして『ワイスピ』ファンにとって思い入れの深い作品と言える。なぜなら、ヴィン・ディーゼルと共にシリーズを牽引したブライアン・オコナー役のポール・ウォーカー最後の出演作となってしまったからだ。

そんな『SKY MISSION』のラストシーンには、ポールの死を追悼しようと特別な演出が施されている。公開から約5年が経った2020年3月、私生活でもポールと深い親交があったヴィン・ディーゼルが、米NMEとのインタビューにてラストシーンに想いを馳せた。

物語の本筋が終了した後、ドミニク(ドム)は、ブライアンとの最後のドライブに臨む。1人物思いに耽るドムの隣にブライアンは車を止めて、「さよならを言わずに行くのか?」と一言。ドムは何も言わずに微笑みを返し、ブライアンとの思い出を回想するのだ。ポールのために制作された主題歌「See You Again」と共に、ファミリーとブライアンの歴史が次々と映し出されていく。

あの頃のように並んでドライブを愉しむ2人の道が、やがて別れ、離れていく。ブライアンは、どこまでも続く道を走ってゆくのだ。最後に「For Paul(ポールに捧ぐ)」とのテロップが表示され、物語は幕を閉じている。ヴィンは、ポールのために脚本を書き直して行われたという最後の演出について、以下のように回顧した。

「私たちは、とても美しく粋な計らいが出来たと思います。もしかすると映画史の中で最高の瞬間だったのではないでしょうか。私のキャリアだけでなく、映画の歴史でですよ。世界中の皆さんが、いや、地球上の人間が初めて一緒になって涙を流すことが出来たんです。」

ポールは、クランクアップする前の2013年11月、チャリティ・イベントの帰りに自動車事故に見舞われ、40歳の若さでこの世を去ってしまった。突然の訃報に世界中が悲しみに暮れる中、製作の米ユニバーサル・ピクチャーズは撮影の一時中断を発表。ヴィンは、当時の心境を「撮影に戻る気にはなれなかったです。なんだかスタジオに“葬式に戻りなさい”と言われているように感じて。ひどく打ちひしがれていたんです」と振り返っている。

2014年4月に再開された『SKY MISSION』の撮影では、ポールの代役として、2人の実弟ケイレブ・ウォーカーとコディ・ウォーカーが参加することで完成。米Colliderのアリー・ゲミル氏によると、公開当時、「満員の映画館で、観客の多くがすすり泣きながらラストシーンを見届けていた」という。悲劇を乗り越えて生み出された『SKY MISSION』は、これからも『ワイスピ』ファミリーにとって、ポールへの思いを馳せる拠り所であり続けるだろう。

(c) 2014 Universal Studios. All Rights Reserved.

Source: NME, Collider

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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